
こんにちは、ワークスアイディの奥西です。
『インフルエンサー』という言葉は、今やすっかり定着しましたね。
英語の[influence(影響を与える)]を語源とするこの言葉は、文字通り“影響力を持つ人”を意味します。
SNSを通じて情報を発信し、多くのフォロワーの意見や行動に影響を与える存在です。
皆さんも、何かしらのジャンルでインフルエンサーの影響を受けた経験があるのではないでしょうか?
私自身も、インフルエンサーからヒントを得て学んだり、モノを購入したことがあります。
さて、今回は、単に技術を導入するだけではなく、
技術だけでは進まない、AI活用の現実
企業がAIを導入する際、よく聞かれる悩みがあります。
〈よくある課題〉
- AIツールは導入したけど、業務はほとんど変わっていない
- AIを使い始めたけど、具体的な成果が出ていない
- 何かしらのAIツールを導入しただけで止まっている
- 費用対効果を過信してツール選定に時間をかけたが、現場の行動が変わらない
導入のきっかけや動機、進め方は企業によって様々なケースがあります。
ただ、どんな経緯や背景であっても、導入した“その後”が肝心なんですよね…。
確かに、技術は日進月歩で進化しています。
AIエージェントの登場で「AIが同僚」のような存在も現実化してきました。
しかし、AI活用がスケールしない理由の一つは
例えば、製造業のある企業では、AIによる需要予測システムを導入しましたが、現場の社員は「これを使って自分の仕事がどう変わるのか?」と疑問を抱き、せっかくの技術を十分に活用できないケースがありました。

ただ研究では、AI導入が『従業員の能力開発』を通じて持続的な成果に繋がることが報告されています。
さらに、『企業文化』がAI活用を後押しする重要な要素であることも明らかになっています。
つまり、AIプロジェクトを加速させる鍵は技術そのものではなく、
熱意のないまま技術(ツール)だけを導入しても、期待する成果は得られませんよね。
波紋効果(リップルエフェクト)で広げる社内変革
AI活用を加速するには、社内に『AIインフルエンサー』を育てることが効果的です。
私が携わったプロジェクトでは、AIに興味関心の高い社員を『AIアンバサダー』として任命し、
以下のような活動を行うことで、組織全体に波紋のような影響を広げることができました。
- 事例共有:
朝礼で「昨日このツールを使ったら、精度が〇%向上した」といった具体例を紹介- ミニ共有会:
同僚から質問があれば、10分程度の共有会を実施- 試行錯誤の共有:
成功例だけでなく失敗例も含めて、実際の体験を共有
すると、フロア全体に「そんな使い方もあるのか」という
プロジェクト部門ではない営業・管理部門でも「うちでも試してみよう」という風土が生まれました。

このように、1人の行動や発言・出来事が周囲に次々と影響を与える現象を『波紋効果(リップルエフェクト)』と呼びます。
まずは1人または少数の『AIインフルエンサー』が中心となってAIツールを使いこなし、
これが組織にAI活用を文化として根付かせる第一歩です。
この熱意や熱量を意図的に仕組むことが、いま求められる推進スタイルの一つと考えています。
AIインフルエンサーの役割と仕組み
さて、AIインフルエンサーにどんなミッションを持ってもらうのが良いのか考えていきましょう。
(1)インフルエンサー選定と役割の明確化
- AI活用意欲が高く、周囲に影響を与えやすい社員を1~数名選任
- [月1回以上の事例共有][部門横断での相談支援]をミッションとして付与
- 必要に応じて小額の実験予算を提供し、成果を社内に共有
ポイントは、
小さな成功や失敗の経験を社内に伝えることで、AIの活用が文化として浸透していきます。
(2)推進のための仕組みづくり
- 社内SNSや週次メール、オンライン会議など、情報共有のチャネルを設置
- 失敗も含めた試行の共有で信頼を築く
- インフルエンサーから『部門伝道師』への横展開で、組織全体にAIを浸透
ツールを入れることがゴールではありません。
AIインフルエンサーに求められる能力
私がご支援する中で、実際にプロジェクトで成果を上げてきた方々に共通するポイントを挙げていきます。
ここはあくまでも参考としてご覧ください。
(1)問いを立てる力
AIの出力(回答)は入力(プロンプト)に影響を受けますよね。
同じように、AIの効果的な活用には
例えば営業部門から「製品提案資料を自動作成したい」と相談された際に、
- 誰に -どんな顧客に
- 何を -どのような訴求を
- いつ届けるか -どのタイミングで出すか
を解像度高く問えるかです。
つまり、技術を使う前に「課題は何か」「狙いは何か」「どう変えるか」を定義できる人が向いています。
(2)変化を楽しむマインド
小さな実験を繰り返し、
「まずは30分だけ試してみよう」という柔軟なスタンスが、成功への第一歩となります。
変化を楽しみ、それも学びと捉える方が向いています。
(3)コミュニケーション&伝播力
一人の努力では限界があります。
『波紋効果(リップルエフェクト)』を生むためには、
他部門に知見を共有し、「うちでも使えそう」という声が出てくればGOOD JOBです。
こうした知見の横展開が、組織全体でAI活用を文化として根付かせることに繋がります。
まとめ
「自社でAIを活用したい」
「導入して終わりではなく、組織に定着させたい」
そう考える担当者の方は、AIインフルエンサーの取り組みを始めてみてください。
今の積み重ねが、数年後には
「AIを使うのが当たり前」「データとAIを軸に意思決定する文化」へと組織を変革させます。
ワークスアイディでは、生成AIの活用やAIエージェント、データサイエンスを通じて、企業の課題解決と理想の姿の実現に全力で伴走します。
AIインフルエンサーの取り組みをはじめとする試みをワークスアイディのAI伴走支援で、一歩一歩着実に実現していきましょう!
…最後に宣伝を入れてみました。笑
ぜひ皆さんの会社でも『AIインフルエンサー』について議論してみてください。
それでは、本日もGOOD JOB!!
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