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for Ideal Design

“非エンジニア”が自ら作るAIアシスタント。
創業70年の老舗メーカーが「伴走支援」で手に入れた、ナレッジ活用の道筋

ナガセルータック株式会社

製造業

ナガセルータック様

2025年11月、東拓工業株式会社は「ナガセルータック株式会社」へと社名を変更し、新たな歴史の幕を開けました。1952年の創業以来、フレキシブルホース・パイプ分野のパイオニアとして独自の技術力を磨き続けてきた同社。現在は長瀬産業グループ(NAGASEグループ)の製造部門の中核として、グローバル展開を加速させています。
今回は、代表取締役社長の中西様をはじめ、プロジェクトを推進された皆様に、AI導入の背景と成果についてお話を伺いました。

導入の背景:データはある。でも「活用」が追いついていなかった

左から安藤様、中西様、髙橋様、河内様

左から安藤様、中西様、髙橋様、河内様

AI導入プロジェクト開始の背景をお聞かせください

中西 様(代表取締役社長)
当社はこれまで、Tableauやkintoneといったデジタルツールを導入して、全社的なDX推進に取り組んできました。
ただ、ツールによってデータはどんどん蓄積されていくものの、それらを含めたナレッジを現場レベルでどう活かすかという「データの活用」については、依然として大きな課題が残されていました。

髙橋 様(情報システム課)
それに、現場が何か新しいことをしたいと思っても「情報システム課に依頼しなければ何もできない」という体制のままでは、技術スピードの速い現代において、いずれ市場から取り残されてしまうという強い危機感もありました。

中西 様
そんな中で「AIを使いましょう」というキーワードが先走るように、NAGASEグループ全体で“AI活用の推進”という大きな潮流が生まれたことが転機になりました。

安藤 様(DX推進チームリーダー)
AI活用の必要性は認識していましたので、この流れを好機と捉え、私たちが選択したのは「ITのバックボーンがない人」でも自らの手でAIを扱い、社内に蓄積されたナレッジを活用する組織への変革でした。

導入前の課題:汎用AIだけでは届かない「自社固有のナレッジ」

「neoAI Chat」を選定された理由は何でしょうか?

髙橋 様
Copilotなどは要約といった普段使いのツールとして非常に便利で、その利便性は実感していました。
ただ、汎用的なAIとしては優秀でも、当社の膨大な技術資産や社内規定などの「固有データ」を業務に深く組み込むには、汎用ツールだけではカバーしきれない部分があったんです。

その点『neoAI Chat』は、「当社だけの秘密の情報」を安全に読み込ませ、それを基に回答を生成させることができます。私たちが目指す「自社だけの専門家」を、現場主導で手軽にたくさん作るという点において、『neoAI Chat』こそがベストな選択肢だと感じました。

中西 様
財務データだけでなく、ものづくりに関わる設計・開発のあらゆる形式のデータ(Excel・Word・PDF 等)は、私たちにとってかけがえのない財産です。
これらをクローズドな空間と組み合わせることができれば…と考えていたところ、ワークスアイディさんから『neoAI Chat』のご説明を受けたことで、いろんな活用のイメージが持てました。

導入の壁とブレイクスルー:「時間を作る」ための伴走支援

導入決定後の社内展開はスムーズに進んだのでしょうか?

安藤 様
いえ、実は当初、どうやって社内でAIを浸透させるかについては「ノープランに近い状態」だったんですよ(笑)。
各本部から推進役を選出してプロジェクトは始動したものの、やはり通常業務に追われる現場にとって、新しいツールの習得はどうしても後回しになってしまいます。正直、自力で周りを巻き込んで進めるのは無理でしたね。
講義を聞いて「はい、あとはどうぞ」と渡されるだけでは、AI活用は定着しなかったと思います。

ワークスアイディさんに、社内勉強会だけでなくワークショップを実施していただき、“業務時間内にAIを触る時間”を強制的に確保できたことが推進の鍵となりました。
また、私がお願いせずとも、推進役のメンバーがワークショップでの学びを部門内で共有してくれたり、本部長クラスが「AIを使うぞ」という発信を積極的にしてくれたことも大変後押しになりました。

ワークショップの中で印象的なエピソードはありますか?

安藤 様
基本的にはリアル開催でしたが、拠点をまたぐ営業部門でのワークショップで、Teamsのブレイクアウトルーム機能を活用し、ワークスアイディの三宅さん・村上さんに各ルームを回って直接対話して、アシスタント作成への助言をいただいたことですかね。
リモート環境ながらも熱量の高い議論が生まれ、現場主導で多くのアイデアが形になりました。やはりツールを入れるだけでなく、それを動かすための「人の推進力」があってこそ、壁を乗り越えられるのだと実感しました。

具体的な活用事例:現場で生まれた「発明」

現場ではどのようなアシスタントが作成されましたか?

河内 様(購買課)
私は製造現場で使う「金具仕様・見積もり検索」のアシスタントを作りました。
これまで数千通りもある工業用金具の仕様や見積もり情報は、紙のファイルやデータの中から探す必要があり、大きな手間がかかっていました。

金具仕様・見積もり検索アシスタント
この手間を軽減するため、neoAI Chatに製品データを学習させたことで、検索時間が劇的に短縮されました。
数千通りある製品の見積もり名称を検索して、「ここを見てください」という情報を簡潔に出せるようにしたんです。
紙の現品票と照合する面倒な作業も、これで解決に向かっています。

neoAI Chatでの設定画面

安藤 様
その他にも、ある工場での「請求書集計の自動化」アシスタントですね。
これまで1時間かかっていた業務が、OCR機能を活用したAIアシスタントで一瞬で完了するようになりました。
現場から「感動した!」と言ってもらえて、作成した私としても本当に大変気持ちよかったです(笑)。そんな事例を社内でもっと増やしたいですね。

中西 様
営業担当者が作った「配送予測」のアシスタントも面白かったですね。
「冬場の北海道への配送日数」を質問した際、学習データにはない「雪の影響」をAIが推論して答えたのです。
「データを持っていないので正しい日数は出なかったんですが、AIが『冬は雪の影響があるので遅延する可能性があります』と返ってきました」と驚いていました。
全て正しい答えは出せないにしても、こうした注意喚起をしてくれるだけでも業務の助けになりますよね。

今後の展望とメッセージ

今後の展望をお聞かせください

安藤 様
ここからが本番だと思っています。
現状はまだ、AIを使いたい人が使っている段階です。今後は「まだ関心を持っていない層」へどう広げていくかが課題です。
全員がアシスタントを作れる必要はありません。
「誰かが作った便利なアシスタントやエージェント機能をみんなが使う」という段階をまずは目指していきたいですね。

河内 様
製造現場には、ものすごい技術や知識を持ったベテラン社員がたくさんいます。
今は「こんなことやりたい」と相談を受けた私が「サンプルを作って渡してみる」ことから始めていますが、今後はベテラン社員にもしっかり届けて、「これ面白いな」と食いついてくれたら、次はAIアシスタントの作り方やコツを教えて、現場からのボトムアップでAIを活用してもらう
まだneoAI Chatの存在を知らない方も徐々に巻き込んで、現場に眠るナレッジを共有していきたいですね。

髙橋 様
技術的には、基幹システムとの連携も実現したいですね。
在庫データや生産計画のデータを渡して、AIが「今こんな受注が残っているから、これだけは使っていいですよ」と判断してくれるような、高度な連携を目指していきたいです。

最後に、これからAI導入/伴走支援を検討している企業へメッセージをお願いします

安藤 様
せっかく良いツールを導入しても、組織として使いこなすためには、得意な人だけが使っている状態では意味がありません。
私たちは、伴走支援があったからこそ、ITが得意ではないメンバーも巻き込むことができました。
自力だけでは、一部の詳しい人が使えるようになって終わっていたと思いますので、改めて導入支援は必須だったと感じています。

取材協力

ナガセルータック株式会社
代表取締役社長 中西俊博 様
管理・企画本部 経営管理部 / 経営企画室 / DX推進チームリーダー 安藤一志 様
製造本部 ロジスティクス企画部 生産管理課 / 管理・企画本部 経営管理部 情報システム課 髙橋潤司 様
製造本部 ロジスティクス企画部 購買課 河内尊 様

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