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BPR(プロセス再構築)こそが「AI」の効果を最大化する鍵!AI活用を一段高めるためのステップ

業務改善 AI 仕事 IT 生産性向上

こんにちは、ワークスアイディの奥西です。

昨今、「AIバブル」と呼ばれるほどAIへの注目が高まっていますね。
フィジカルAI分野では、「ロボット」や「自動運転」など
物理領域でのAI活用が進化を遂げています。

しかし、本日は「BPR(プロセス再構築)こそが『AI』の効果を最大化する鍵」
というテーマについてお話しします。

なぜBPRがAIの成果を押し上げるのか?

このテーマをあげた背景や経緯を、私が伴走支援で見てきた
現場の“実態”を踏まえてお伝えしますね。

個別業務への活用から、横断業務への活用ステップを考えていきましょう。

個別業務の改善から見えた課題

私が製造業のAIプロジェクトを推進していた時のこと。

📝営業部門…商談履歴から提案を企画したい
🔍経理部門…請求書の差分チェックを自動化したい

これらの取り組みでは、個別業務の改善や時間短縮という観点で
当初の狙いどおり、一定の成果が得られました。

しかし、数カ月間伴走する中で、次のような“問い”が生まれました。

“部分最適”では成果が出ても、組織全体の変化にはつながらないのでは?

部分最適でもAIは効果をもたらしますが、
現状のプロセス内でAIを活用するだけでは、効果を『最大化』できていない…。

ここで必要になるのが、部門横断でプロセスを設計し直す次の一手=BPRです。

部分最適から全体最適へのステップ

在庫需要予測、物流最適化、資料作成支援、議事録の自動要約…。
AIやデータサイエンスで課題解決をしたいと考える企業が増えています。

しかし、多くの場合、次のような壁に直面します。

〈例1️⃣〉営業資料の叩き台はAIで作れるようになったが…

[資料提出→レビュー→修正→案件化]のプロセスが変わっておらず、
スピードだけが上がり“質”や“結果”に結びつかない

〈例2️⃣〉議事録の自動化はできたが…

[誰が何をいつまでに実行するか]のプロセスが設計されておらず、
議事録や商談レポートの作成効率化に留まる

このように、AIは単体業務で効果を発揮しても
組織全体への波及効果が限定的になることがあります。

その原因は、業務が[人・部署・システムをまたぐプロセス構造]を持っているため
部分的なAI活用に留まるケースが多いのです。

だからこそ、エンドツーエンドでビジネスのプロセスを見直す“全体最適”の視点、
すなわちBPR(プロセス再構築)が不可欠です。

デジタル化がAI効果を左右する

私のこれまでの伴走支援の経験から、AIの効果を最大化するためには、
業務プロセスの“デジタル化”が重要な要素となります。

(1)ドキュメント整備

ナレッジや記録がデジタル化されていない場合、AIが参照できるデータが不足します。
職人化された業務や個別記録が散在している状態では、AI活用の効果が限定的になります。

(2)アナログとデジタルの融合業務

デジタル化されている部分とアナログが残る業務が混在しているケースです。
例えば、エクセルやシステムで記録しているものの、帳票は印刷して捺印するプロセスなど…。

このような状況では、部分的なAI活用に留まります。

(3)プロセスの標準化

業務プロセスを言語化し、標準化することが重要です。
「どの手順で」「どの担当が」「どの判断を」「どのように出力するか」を明確にすることで、
AI活用の基盤が整います。

これはBPRの基礎であり、AI組み込みの前提条件です。

さらに高度なAI活用には、
データ基盤(マスタ整備、メタデータ設計、アクセス権限設計、ログ可視化)も必要です。

いずれにしても、業務フローを可視化して
デジタル化とAI活用をセットで設計していくことで、大きな成果を獲得しやすくなりますね。

ツールの選定以上に重要な視点ですので、業務の構造を整えていきましょう!

“AIチャンス”は『人と部門をまたぐプロセス』にある

では、どの領域でAIが最大限の効果を発揮するのでしょうか?

結論としては、『人と部門をまたぐプロセス』がAI活用のチャンスです。
私はこれを勝手に“AIチャンス”と命名しています。

もちろん、単独部署内の業務にAIを適用する価値は十分あります。
ですが、より大きなインパクトは、関係者が横断するフローにあります。

〈例〉部門をまたいだ業務

  • 調達・購買・経理が関与する承認フロー
  • 問い合わせ受付と営業部門・サポート部門の連携
  • 生産計画部門と製造現場の需給調整

システムやExcelを使用した手戻り・確認・チェックが多いフローでは、
AIが「この申請は条件不備です」「過去の類似申請ではこう対応しました」を即時提示でき、
手戻りの削減・判断時間の短縮に大きな効果をもたらします。

部署やチームをまたがる“隙間”に潜む非効率こそ、
AIの『ナレッジ活用力』『言語理解力』『提案力』が活きてきます。

つまり、これらを人の判断補助に留めず、“プロセスに組み込む”ことが重要です。

まとめ

AI活用の効果を左右するのは、どのツールを使うかではなく、プロセス設計そのものです。

まずはAIを個別業務の改善で存分にお使いいただき
次のステップで、業務を再構築し、部門を横断するプロセスにAIを活用することで、
さらに大きな成果を生み出すことができます。

『AIが組織の仕組みとして働く』ことを目指して、プロセスを再構築していきましょう!

ぜひ、皆さまの会社でも“AIチャンス”について議論してみてください。

それでは、本日もGOOD JOB!!

 

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