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AI・データ戦略が陥る4つの落とし穴 – データ戦略を見直してみませんか? –

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AIデータ戦略が陥る4つの落とし穴

こんにちは、ワークスアイディの奥西です。

AIの活用によって、企業内のデータやナレッジが以前よりも格段に活かしやすくなりましたね。
これまでは長い学びや経験の中でしか培えなかったノウハウも、AIを通じることで必要な時に誰でも手に入る時代になりました。

ワークスアイディではここ数年、製造・金融・情報通信・不動産・商社・サービス業といった幅広い現場で、AI活用やデータ戦略の再構築をご支援してきました。

その中で痛感するのは、「AIの進化スピードが、人の理解を軽く超えてしまっている」という現実です。

特に2023年以降、AIの普及に加え、IoT、エッジコンピューティング、通信技術の進歩が加速し、『データの価値構造』そのものが大きく変化しています。

本日は、そんなAI時代に見直すべき『AI・データ戦略の4つの落とし穴』について、一緒に考えていきましょう!

データ戦略は“一度作ったら終わり”ではない

多くの企業ではDXの文脈から『AI・データ活用の方針』を掲げています。
しかし、過去に策定した方針が、そのまま放置されているケースは少なくありません。
方針はあっても、具体に落とす段階で組織の動きが鈍る、というケースはよくありますよね。

昨今ではテクノロジーの進化が凄まじく、わずか1年・2年で経営環境は激変します。

  • 新たな市場の出現
  • 顧客行動の変化
  • 規制対応や競争構造の変化
  • 現場のデジタル化レベルの急上昇

そして何より、AI・IoT・通信技術の進化が『データの価値』を塗り替え続けています。
5年前には価値を生み出せなかったログが、今では生成AIの教師データとして活用可能になっています。

要するに、「今、本当に価値のあるデータは何か?」という問いは、毎年見直し、進化させていく必要があります。
AI・データ戦略は、少なくとも『1年に一度の棚卸し』が必須と言えるでしょう。

『技術の進化』がデータ戦略をどう変えるのか?

技術の進化が与えるインパクトを整理します。

(1)エッジアナリティクスの台頭

エッジアナリティクスとは、データが生成される場所(ネットワークの『エッジ』、センサー、IoTデバイスなど)で、即座にデータ分析を行う手法です。

これまでの常識は「データは全部クラウドへ送って分析する」でした。
私も以前はそうしてきましたが、最近はアプローチが変わりつつあります。

「データの近く(その場)で分析してしまう」という考え方です。

📌実際に広がっている事例

  • 工場…センサーをその場で解析し、数秒以内にアラート
  • 小売…POSと顧客行動をリアルタイム分析し、接客提案
  • 映像…カメラ映像を全送せず、不要部分をエッジでカットして軽量化

これにより通信コストは劇的に下がり、意思決定スピードが加速します。
『データの価値が生まれる場所』そのものが変わっているのです。

(2)IoTデバイスの増加

センサーは低価格化が進み、電源不要で動作するものや、クラウド直結のスマートデバイスも登場しています。

  • 設備…場設備、FA機器、ロボット
  • 車両…物流、建設、EV、MaaS
  • 現場…農業(ドローン、育成監視)、医療(ウェアラブル)
  • 施設…店舗の人流センサー、スマートビルディング

これらから生成されるデータ量は、もはや人の管理能力を超えています。

従来の「必要なデータを集める」から、「溢れ出るデータをどう選び、整理し、価値化するか」へとパラダイムは完全にシフトしました。
IoT時代のデータ戦略は、データを“集める”よりも“選び、育てる”ことが本質です。

よくある“AI・データ戦略が陥る4つの落とし穴”

では、いよいよ本題です。

私がこれまでDX支援をしてきた中で、特に多くの企業様で共通していた『落とし穴』をご紹介します。
一概に“誤り”とは言えませんが、参考程度に自社の状況と照らし合わせながらご覧ください。

(1)目的が古いまま更新されていない

データ活用の目的を『3〜5年前の事業方針』のままにしていませんか?

例えば、当時は『業務効率化』が最優先だった会社が、今は『顧客体験向上(CX)』へ舵を切っている。それなのに、データ基盤や分析KPIは『効率化』の時代のまま…。

その結果、何が起きるか?

  • 現場:疑問「なんで今さらこの数字(効率)を追ってるの?」
  • 経営:期待「もっと攻めのデータ活用をしてほしいのに…」
  • 分析部門:疲弊「言われた数字を出しているのに、誰も喜ばない…」

目的が更新されないまま“運用だけ続く”状態は、企業の活力を奪う静かなリスクです。
戦略の棚卸しは急務ですね。

(2) 現場のスピードに分析が追いつかない

最近の現場はとにかく速いです。
製造、物流、コールセンターなど、あらゆる現場で『即時の意思決定』が求められます。

ところが、分析結果が出るのは翌日。下手をすれば週次レポート。
「朝の販売トレンドを見て、午後の施策を変えたい」のに、データが届くのは翌朝…。

結果、現場はこうなります。

  • しびれを切らして“感覚と経験”で判断し始める
  • データ活用は「遅い」「役に立たない」とレッテルを貼られる
  • 現場と分析部門の距離がどんどん広がる

データの鮮度が落ちるほど、現場の心はデータから離れていきます。
“現場が使えるスピード”でデータを届ける仕組みづくりが重要です。

(3)技術トレンドを戦略に織り込めていない

生成AI、エッジコンピューティングなど、技術は年々成長しています。

  • 「生成AI?とりあえず議論はしているけど…」
  • 「IoTデータの活用は来期検討…」
  • 「エッジ化できる領域の棚卸しをしていない」

こうして、技術トレンドが戦略に反映されないまま数年が経過しているケースは少なくありません。

結果として、今の技術ならすぐに解決できることが“放置される”現象が起きています。
ここは課題特定と技術適用の棚卸しをセットで、早期に着手したいですね。

(4)部署ごとにバラバラなデータ活用

部門ごとにデータ活用が進むこと自体は非常に良いことです。しかし、“勝手に”進みすぎると別の問題が起きます。

💼営業はCRM
💰経理は会計データ
🧑‍🏭生産はIoT
📊マーケティングは顧客行動ログ

個々は正しくても、全体を見るとデータが『部門のサイロ』に閉じこもってしまい、全社最適の視点が抜け落ちてしまうのです。

⚠️注意点

  • データ連携に過剰な工数
  • 同じデータの重複収集
  • データ管理コストの膨張
  • 顧客体験の不一致

経営視点で『全体を見渡すダッシュボード』があるとGOOD。
部分最適を尊重しつつ、全体最適の視点を忘れないことが重要なポイントです。

まとめ

AI時代において、データ戦略はもはやIT部門だけの課題ではなく、経営そのものの課題です。

データの価値が『用途 × 技術 × スピード』で毎年変動する時代だからこそ、データ戦略は“作って終わり”ではなく、植物のように“育て続けるもの”です。

毎年アップデートし続ける企業だけが、変化の波を“先取り”して競争力に変えていけます。

自社のAI・データ戦略を見直し、未来に向けてアップデートを始めてみましょう。
ぜひ、皆さまの企業でも『AI・データ戦略』について、一度議論してみてください。

それでは、本日もGOOD JOB!!

 

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