こんにちは、ワークスアイディの奥西です。
ここ数年で『DX(デジタルトランスフォーメーション)』は一気に一般化し、
社会や企業のデジタル化を大きく加速させました。
もはや
そして今、さらに大きな波として、「AI」の民主化に伴い
デジタル化が定着した次のステージは、
AIを本格的に経営と業務に組み込み、企業そのものを変革すること。
本日は、
DXとAXの違いを正しく理解する
・DX(Digital Transformation)
経済産業省はDXを「データとデジタル技術を活用し、製品・サービスやビジネスモデル、
業務・組織・文化を変革して競争優位を確立すること」と定義しています。
デジタル化とDXの違いについては、過去のコラムでも詳しく解説していますので
基礎理解の再確認にお役立てください。

デジタル化とDXの違い、そして次のAX(AI Transformation)とは?5つの観点で整理し、企業が目指すべき変革の進め方を解説します
・AX(AI Transformation)
AXについて公式な定義はまだありませんが、実務では
「AI(機械学習・生成AI)を意思決定と価値創出の軸に据え、アルゴリズムとデータで
事業・ビジネスモデルを再設計する全社変革」を指します。
要するに、AIを経営戦略の中心に置き、
価値創造・ビジネスモデル再設計・サービス創出・顧客体験の刷新まで、
〈適用領域の例〉
- 需要予測、在庫・生産・配送の最適化
- ダイナミックプライシング、レコメンド/パーソナライズ
- AIエージェントによる高度な自動化
(問い合わせ対応、RPA高度化、コード自動生成)- 異常検知、画像解析、予防保全 など
以前は高度な専門性が必要で腰が引けがちだった取り組みも、
AIの登場で一気に実現可能性が高まりました。
AX推進の3つの土台
(1)経営のビジョンとAI経営の方針
AXは単なる技術導入ではなく、企業の存在意義や提供価値を“AI前提で”再定義する挑戦です。
経営層が
〈実例〉大手小売業の伴走支援
前提: 需要予測精度の改善を通じて在庫削減率をKPI化
方法:予測に基づく意思決定を実装し、利益率向上を経営目標に組み込み
効果:「何をすべきかが明確になった」 と現場・経営双方で合意形成が進み、AIが経営成果に直結
一方、AIの活用には情報漏洩、著作権、プライバシー、法規制などのリスクも伴います。
テクノロジーファーストに陥らず、ビジネス課題解決の手段として
AIを経営戦略に統合していきましょう。
(2)データとAIの一体的な基盤整備
AIの活用には、
部門ごとにシステムが分断され、データがサイロ化していると、AIは力を発揮できません。
AXの前提として、以下を段階的に整備しましょう。
- 統合データレイクやAIデータ基盤の構築
- 正確性・鮮度・粒度を担保するDQM(Data Quality Management)
- 継続的な運用(開発・テスト・本番・監視・再学習)を可能にする
MLOps[機械学習(ML)×運用(Operations)]や
RAG(Retrieval Augmented Generation)
構造化データに加え、マニュアル・規程・フローチャート・ナレッジ文書などの非構造化データ、
さらには画像・動画・音声といったマルチモーダルデータも、AIの活用で価値化が可能です。
これまで取得していなかったデータを資産化する設計も、重要な資産になりますね。
(3)人材と組織の変革
事業は『人』なり。
AXの最終的な成否を分けるのは、やはり
人材育成によってAIが現場や組織に浸透し、制度の見直しによって全社的なAI活用が加速します。
〈育成が必要な人材〉
- データサイエンティスト、AIエンジニア、MLOpsエンジニア
- ビジネス課題をAI要件に翻訳できるトランスレーター
- 現場でAIを活用し、改善提案ができる社員
〈見直しが必要な制度〉
- データ活用率やAIアシスタント/AIエージェントの実装数などを評価指標に追加
- 部門横断チームやAI専任チームを設置するなどの推進体制の整備
- 社内の成功/失敗ナレッジを共有し、学習する文化を醸成
私が伴走しているお客様は、半年ごとに『AIアイディア発表会』を開催しています。
現場からの提案が実装され、事業に直結する成果が生まれるだけでなく、
実装率も急上昇しました。
アイディアとエンゲージメントがAXの推進力になりますね。
まとめ
AXを推進するには、以下の3つの土台が重要です。
- 経営ビジョンとAI経営の方針
- データとAIの一体的な基盤整備
- 人材の育成と組織の変革
繰り返しになりますが、テクノロジーファーストではなく、
ぜひ、社内でも「AXをどう進めるか」議論してみてください。
それでは、本日もGOOD JOB!!
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