以前「プチライブラリの使い方」という記事を書かせて頂きました。
せっかくなので、今回はプチライブラリを使って、簡単なシナリオを作ってみたいと思います。
プチライブラリは、WinActorに標準セットされていないノードをダウンロードして使うことのできるサービスです。
ダウンロード方法など詳しくは既出の記事をご参照ください。
プチライブラリでは実にたくさんのノードが公開されていますが、今回の題材は「日付」です。
実業務のシナリオ作成にあたって、日付関連の操作はたびたび登場します。
例えば、システム上で日付での絞り込み検索をしたり、作業に使うエクセルのファイル名に処理日の日付をつけることもよくあると思います。
そして日付の中でも「月初日」や「月末日」の取得のしかたについては、私自身お客様先でも頻繁にご質問頂く内容です。
そこで今回は月初日や月末日の取得のしかたについて、プチライブラリを使える部分も含めお伝えしたいと思います。
※お使いのWinActorライセンスのバージョンによって、ご紹介するノードが標準セットされていない、もしくはノードの名称が異なる可能性がございます。
記事中ではVer.6.0.0以降の名称で記載しています。予めご了承ください。
1.月初日を取得する
【概要】実行日当月の月初日を取得し、待機ボックスで表示させる
例:実行日が2020年8月の場合、「2020/08/01」
【完成フローチャート図】
慣れている方はフローチャート図だけを見て作成してみてくださいね。
【ノード詳細設定】
では、必要なノードを配置して設定をしていきましょう。
①実行日当日の年・月を取得する(yyyy/mm)
・「ライブラリ」->「08_日付関連」->日付取得(書式指定)
②年月と”01”を連結する
・「ライブラリ」->「07_文字列操作」->文字列の連結(2つ)
さきほど①の手順で【yyyy/mm】の形は取得できました。
月初日は1月~12月のどの月でも1日なので【01】を連結し、「月初日」変数に格納します。
③待機ボックスで取得した月初日を表示させる
・「ノード」->「ユーザ」->待機ボックス
待機ボックスで「月初日(変数)」の値を表示させる設定をおこないます。
設定は以上です。
では実行してみましょう!できましたか?
このやり方を応用して、例えば請求書の締め日(毎月20日)など日にちが決まっている場合の日付を取得することもできますね。
では続いて、月末日の取得のしかたについてご説明します。
2.月末日を取得する
月末日は少し複雑です。
月初日と違い、月によって数字が異なるためです。
月末日の取得はプチライブラリが展開されているので、プチライブラリを使う方法と使わない方法の2パターンご紹介します。
【概要】実行日当月の月初日を取得し、待機ボックスで表示させる
例:実行日が2020年8月の場合、「2020/08/31」
【完成フローチャート図(月末日パターン①)】
まずは標準セットされているノードのみで取得する方法です。
完成形のフローチャート図がこちらです。
【ノード詳細設定(月末日パターン①)】
では、必要なノードを配置して設定をしていきましょう。
①ノード名:日付取得(書式指定)
・「ライブラリ」->「08_日付関連」
【yyyy/mm】の形式で実行日当日の年と月を取得します。
②ノード名:文字列の連結(2つ)
・「ライブラリ」->「07_文字列操作」
【yyyy/mm】と【/01】を連結させて実行月の月初日を取得します。
なお、この①と②の工程では実行日当月の月初日を取得しています。
月初日を取得する工程は「1.月初日を取得する」パートの内容と重複するため詳細は割愛します。
③翌月の月初日を取得する
・「ライブラリ」->「08_日付関連」->日付計算(n年後/n月後/n日後)
当月月初日の1か月後、”翌月の月初日”を取得します。
今回の例でいうと、【2020/08/01】が当月の月初日なので、その翌月月初日【2020/09/01】を取得することができます。
④翌月月初日の前日を取得する
・「ライブラリ」->「08_日付関連」->日付計算(n年後/n月後/n日後)
続いて、翌月月初日の前日を取得します。
例でいうと、翌月月初日である【2020/09/01】の前日は【2020/08/31」】ですね。つまり実行日当月の月末日になるのです!
⑤待機ボックスに取得した月末日を表示させる設定を行う
・「ノード」->「ユーザ」->待機ボックス
待機ボックスで「月末日(変数)」の値を表示させる設定をおこないます。詳細は月初日取得のときと同じ内容なので割愛します。
以上で設定は完了です。
通して実行してみてください。うまくいきましたか?
ではもう1パターン、今度はプチライブラリを使ってシナリオを作成したいと思います。
★POINT★
ここでプチライブラリとしてご紹介するノードは、WinActorのVer.7.1.0からは標準セットされています。Ver.7.1.0ライセンスをお使いのPCでは、ダウンロードする必要はありませんのでダウンロードの手順はスキップしてお読みください。
*Ver.7.1.0⇒「ライブラリ」->「08_日付関連」->日付取得(指定した年・月の最終日)
はじめに、使用するプチライラブラリをダウンロードします。
・指定した年・月の最終日を取得するライブラリ
ダウンロード方法については、既出の記事「WinActorを最大限に活用する方法:プチライブラリの使い方」をご参照ください。
ダウンロードが完了しましたらシナリオ作成へ進みます。
【ノード詳細設定(月末日パターン②)】
では、必要なノードを配置して設定をおこないましょう。
①実行日の年を取得する(西暦4桁)
・「ライブラリ」->「08_日付関連」->日付取得(西暦年のみ/月のみ/日のみ)
実行日の年を西暦4桁の形式で取得します。
②実行日の当月を取得する
・「ライブラリ」->「08_日付関連」->日付取得(西暦年のみ/月のみ/日のみ)
実行日の月を取得します。
パディングの形式は必要に応じて設定してください。
今回は【0】を指定します。
③月末日を取得する *プチライラブラリ使用
・「ライブラリ」->日付取得(指定した年・月の最終日)
①と②で取得した年と月を指定して、取得した最終日を月末日(変数)に格納します。
★POINT★
③のノードの設定項目では年と月をそれぞれ指定する必要があるため、①と②で年と月をそれぞれ取得しています。
他の方法として、月初日取得のときと同様に【yyyy/mm】の形式で取得してから、「文字列を前後に分割」ノード(「ライブラリ」->「08_日付関連」)などで分割する方法もあります。
④待機ボックスに取得した月末日を表示させる設定を行う
・「ノード」->「ユーザ」->待機ボックス
待機ボックスで「月末日(変数)」の値を表示させる設定をおこないます。詳細は月初日取得のときと同じ内容なので割愛します。
プチライブラリを使わない方法よりノードも変数も少ない数で取得することができました!
3.さいごに
プチライブラリはかゆいところに手が届くような便利なノードが日付関連以外にもたくさん用意されています。
今回のように工程を減らして作ることができるかもしれませんので、ぜひ上手に取り入れてご活用いただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回もお楽しみに!