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データ活用

データクレンジングとは?具体的なやり方やメリットも解説!

データサイエンス 業務改善 生産性向上 データでビジネスをもっと面白く 新たな問いへの挑戦

近年、社会全体としてデジタル化が進んでいる中、企業が扱うデータの量や種類が増加しています。
しかし、データが増えることにより、誤りや一貫性に欠けるデータが生じ、データを正しく活用するまでの非効率化が問題となっています。
データを活用し、正確な結果を出すに、不備を修正しデータの正確性を高める「データクレンジング」が注目されています。

今回は、データクレンジングの概要から類似語との違いまでわかりやすく解説していきます。

目次

■データクレンジングとは?

データクレンジングとは、データの表記ゆれや誤入力、入力不足などの不備を修正し、データ自体の正確性を高める作業です。
データの不備とは、以下のようなものを指します。

データクレンジングが必要なデータの不備の例

・前株と後株の間違い
・英語・漢字・カタカナなどの混在
・スペースの有無
・正式表記と略式表記
・全角と半角の混在
・未入力        ……など

同じ会社であってもこのように表記に一貫性がなければ、別の会社としてプログラムに判別されてしまい、データ活用に悪影響を及ぼします。

データの入力者が不特定多数の場合や、データ入力に関する統一性やマニュアル不足が生じることで、このような不備が発生してしまいます。
また、システム側の仕様によって、不備が発生するケースもあります。

データクレンジングの必要性

先述したような不備が生じてしまうと、下記のような問題が発生します。

・必要なデータが即時に発見できない →作業効率の低下
・分析結果が正しくない →営業活動への影響
・重複により同一人物に複数回アプローチしてしまう →顧客の信頼低下

ひとつひとつは小さな問題かもしれませんが、積み重なると次第に会社に大きなコストをもたらします。

また、最近ではマーケティング戦略だけでなく、経営の意思決定などの場面でデータを使用する機会が多くなったため、データの正確性の必要性が高まっています。

データクリーニングとの違い

データクレンジングもデータクリーニングもどちらも、不備を修正しデータを整えるという点においては同じ意味を持ちますが、厳密には違うものを指します。
データクリーニングは、古くなったデータを更新あるいは削除することで、常に最新情報を保持することを意味します。
データクレンジングの大枠の中に、データクリーニングが含まれているということです。

名寄せとの違い

いくつかのデータベースの中で、重複しているデータを統合する際に使用する手法です。
データクレンジングはデータ上の表記違いや不備を修正するのに対して、名寄せは複数のデータから重複を修正し一つのデータに集約することを指します。

■データクレンジングのやり方

1.データの選定と書式のルール決め

まずは、集約するデータの範囲を決めます。
あらかじめ範囲を定めておかないと、関連性の低い不必要なデータまで集めて余分な時間を要してしまうので、データクレンジングの目的を明確にしておきましょう。
そして、散らばってしまっている様々なファイルから、重要なデータをひとつのデータベースに集めます。

また、今後管理しやすくなるように、書式・表記のルールを決めておきましょう。
日付は西暦で半角数字で8桁、苗字と名前の間にスペースは入れない…等、誰が入力しても統一性が保たれるようにマニュアル化しておくことをおすすめします。

2.クレンジングを行う

主に以下のような手段でクレンジングを実行していきます。
この時に先ほど定めた書式・表記のルールに従い、データの修正・補完をしていきます。

・データの重複削除

ひとつにまとめたデータベースに重複している同一内容を削除していきます。
例えば名前が同じであっても、同姓同名の別人である可能性もあるので、詳細を見て判断しましょう。

・欠損データの処理

欠損データとは、何らかの原因が生じたことでデータが登録できていないデータを指します。
欠損データが存在していると本来、表現されるべき正確な結果とは異なるものになりえるため、削除あるいは再登録などの処理を行います。

・エラー値の修正

エラー値とは、計算結果などの数値が正しく表示されていないものを意味します。
例えば、エクセルの演算結果が正しくないときに表示される「#REF!」などが挙げられます。
それらは数値として認識されず、分析に影響を及ぼす可能性があるため、正しい数値を入れて修正を行います。

・外れ値の除去

他のデータから極端に離れた外れ値を除去します。
このまま分析を行ってしまうと、その値に結果が左右されてしまい正確性が欠けてしまいます。

3.マスターデータの確認

最後に、企業内の基礎情報であるマスターデータを確認します。
情報の根幹といえるマスターデータが正しくなければ、あらたな不備を生み出す可能性があるため、確実に処理しておくことが重要です。
また、今後活用しやすくするためにリスト分けや、必要に応じて再度クレンジングするなどの対応も検討しましょう。
全てが上記の手順通りということではありませんが、データの品質を維持し、正確性を向上させるために、データクレンジングは重要な役割を担っています。

 

■データクレンジングのメリット

・データ分析の精度の向上

データクレンジングの最大のメリットは、分析の精度を高めることが可能なことです。
例えば、マーケティング戦略を検討する際に、データクレンジングされたデータを使用することで、より正確に効率的なマーケティング分析ができます。
しかし、常に高い精度を保つためには一度のクレンジングだけでは不十分であり、定期的にデータを整理する必要があります。

・生産性の向上

データを整理することは、企業全体の生産性の向上にも効果的といえます。
表記ゆれにより検索に時間がかかることもなく、不備に気付く度に逐一修正する必要がありません。無駄な作業時間が減ることで生産性が高まりますし、従業員も快適に仕事出来るようになり満足度も向上します。

・コストの削減

整理されていないデータの蓄積や、不備による顧客への誤った対応には大きなコストを要しています。
不要なデータが削除されると、サーバー維持のためのコストを減らせますし、上記のように無駄な作業時間が減ることで残業代にかかっていた人件費を抑えることができます。

 

■データクレンジングの難しさ

データクレンジングはメリットが豊富で、データ活用には欠かせない作業ですが、人が手作業で行うにはリスクがあります。

膨大な量のデータを人の手だけで修正しようとすると、当然ながら時間がかかってしまいますし、見落としや修正間違いといった人的ミスに繋がりやすいので、できるだけツールを活用して自動化することをおすすめします。

ただし、ツールを使っていても、最終的には人が目視で確認をする必要があります。
そもそものツールの設定が誤っている可能性もありますし、機械では判断しきれない場合もあるからです。

■データクレンジングを行うツールの選ぶ際の注意点

・データの形式

ツールが対応しているデータの形式が、自分が扱うデータに合っているかどうかを確認する必要があります。
たとえば、CSV形式、Excel形式、SQL形式などの様々な形式のデータがあるため、自分が扱うデータに対応しているかどうかを確認しましょう。

・ユーザビリティ

ツールの使いやすさも重要なポイントです。
常に最新情報を保持するためにデータクレンジングは繰り返し行うことが多いので、ツールの操作性や効率性が高いことが望ましいです。
担当者にとって使いづらいツールは多くの機能が備わっていたとしても、最大限の能力を発揮しがたいため適切であるとはいえません。
また、使いやすさに加えてデータクレンジングの頻度も確認しておく必要があります。

・価格

ツールは多数存在しており、有料のものも無料のものもあるため、適切な価格と機能があるものを用いる必要があります。
データクレンジングにかかる費用は、多くの場合「基本料金+データの件数×1件あたりの単価」です。データの大きさによって価格差があるため、費用の幅が大きいという特徴があります。

・サポート体制

万が一、ツールの使用に問題が発生した場合、サポート体制があるかどうかも確認する必要があります。
また、ツールのアップデートやセキュリティに関する情報提供があるかどうかも確認しましょう。

 

■まとめ

データを利活用していくためにも、正確性を高めるデータクレンジングは不可欠です。
データクレンジングを適切に行うことで、作業効率の上昇やコストの削減が出来ます。

人力でデータクレンジングを行うことは出来ますが、より正確性を高めるためにはツールの導入がおすすめです。
まずは、表記ゆれを無くすために、書式のルールを統一し周知させることから始めてみるといいかもしれません。

ワークスアイディではデータクレンジングはもちろん、BIツールによる開発支援、データ分析、データサイエンスまでデータの利活用を幅広くサポートしております。
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