こんにちは。
ワークスアイディの奥西です。
先日、IT専門調査会社IDC Japanが日本国内のAIシステム市場予測を発表しました。
2023年は生成AIの商用化が本格的になったことで、市場規模が6858億7399万円(前年比34.5%増)。
2024年の国内AIシステムの市場規模は、前年比31.2%増の9,000億6,300万円と予測しています。
AI分野は引き続き、高成長率を維持する見込みです。
やはり、AIを仕事のミカタにすることが今後必須になってきますね。
さて、本日はAIに関連した「エッジコンピューティング」についてです。
言葉は聞いたことあるけど、説明するとなると難しいですよね。
何となく身近になってきた「エッジコンピューティング」ですが
一緒に基礎知識を学んでいきましょう!
1. エッジコンピューティングの基本概念
近年、5Gなどネットワーク技術の進化が著しく、
その中でも特に「エッジコンピューティング」が注目されています。
エッジコンピューティングとは、ざっくり言うと
データを集める場所(エッジ)でそのデータを処理する技術です。
つまり、データが生まれた場所の
すぐ近くでデータを処理することができます。
身近な分野ですと、スマートウォッチなどのウェアラブル端末で使われています。
エッジコンピューティングはリアルタイムでサクサクとデータを処理できることが特徴で、
心拍数や運動量の計測、睡眠状態などをリアルタイムで処理し、
ユーザーに即座にフィードバックを提供してくれます。
2. エッジコンピューティングのメリット
従来のクラウドコンピューティングでは、クラウドにデータを送ってデータ処理をしていたため、
ネットワークに負荷がかかり、処理が遅延してしまうことがありました。
しかし、エッジコンピューティングはエッジサーバー(端末)上でデータを処理をするので、
高速で効率的なデータ処理を実現し、遅延を最小限に抑え、帯域幅の使用を最適化しています。
これにより、例えば監視カメラやセンサーなどのIoTで
都市の交通システムから商業施設の人流データまで、
あらゆるものがスマートかつ効率的に動作する基盤を築くことができます。
3. ビジネスにおけるエッジコンピューティングの実用例
(1) 農業
農業分野では、ドローンやスマート農機を使ってデータを集め、
エッジコンピューティングを活用してその場でデータを分析することで、
通信コストを削減しつつ効率的な農作業が可能になります。
農家は大量のデータを取捨選択しやすくなり、
ネットワーク接続状況の悪い地域でもデータを分析できるようになりました。
(2) 医療
医療機関は非常にデリケートな情報を扱うため厳しく規制されている業界ですよね。
エッジコンピューティングを使えば、デリケートなデータを
中央のサーバーに送らずにローカル機器にとどめることができるので、
プライバシーを優先することができます。
エッジ端末でAI学習を可能にすれば、
医療機関は患者の未加工データを共有することなく、有益なAIモデルを開発できることになります。
(3) 製造業
製造業では、エッジコンピューティングを利用して工場内の機械や
ロボットからのデータをリアルタイムで分析し、運用効率を向上させることができます。
工場では大量のデータが生成されるため、
全てをクラウドに送って保存するとコストがかさむ場合があります。
無駄なデータ送信を減らし、コスト削減にも寄与します。
(4)小売り
小売業界では、エッジコンピューティングを使った無人店舗があります。
買い物客がモバイルアプリのQRコードをかざして入店すると、
店内のカメラとセンサーがお客さんを特定し、購入するために選んだモノを登録していきます。
この技術を活用することで、店内の消費者行動をリアルタイムで把握し、
在庫管理や顧客サービスを効率的に行うことが可能になります。
その他にも災害時にクラウドアクセスが制限される中で、
エッジデバイスが重要なデータを保持し続けることができると言われています。
4. エッジAI・エッジクラウドについて
・エッジAI
エッジAIとはIoT端末やエッジサーバーにAIを搭載する技術です。
サーバー側から命令がなくても自律的に処理できるため、
エッジコンピューティングの領域を拡大できる技術です。
エッジデバイスでAI分析を行うことにより、
遅延をほとんど無くしてリアルタイムで反応が可能になります。
自動運転車など、迅速な意思決定が求められる分野で特に注目されています。
・エッジクラウド
エッジクラウドは、クラウドコンピューティングの機能をエッジに拡張することで、
エッジデバイスの計算能力を向上させるアプローチです。
まさに、エッジコンピューティングと
クラウドコンピューティングのメリットを活かした技術ですね。
エッジクラウドは、処理を分散させることでクラウドサーバーの負荷を軽減し
全体のシステムの耐障害性を向上させます。
ワークスアイディが支援しているAzureにも「Azure IoT Edge」というサービスがあります。
Azure IoT Edge はデバイスに重点を置いたランタイムです。
あくまでも「エッジコンピューティング」を活用する場合の話ですが、
すべての分析をクラウドで行う必要がないということですね。
Azure IoT Edge を使うと、分析能力をデバイスにすることで、
より優れたビジネスの分析が実現し、オフラインでの意思決定も可能にしていきます。
5. まとめ
エッジコンピューティングは、
今後も多くの業界での採用が進むことが予想されています。
企業はこの新しい技術をどのように活用するかを考えることが重要ですね。
適切な戦略とツールを選択することで、そのポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
産業のデジタルトランスフォーメーションを推進し、
より速く、よりインテリジェンスに、効率的なシステム構築を可能にしています。
それぞれが持つ技術の利点を活かすことで、新たな価値を創造していきたいですね。
是非皆さまの会社でも「エッジコンピューティング」について
議論してみてください。
それでは本日もGOOD JOB!!