こんにちは。ワークスアイディの奥西です。
先日、ワークスアイディで新たなサービスの提供を開始いたしました。
東京大学・松尾研究室発
仕事に「AI」を活用し、これからの「働くをデザイン」していきましょう!
さて、本日は生成AIの分野で必ず耳にする
またアルファベット3文字かよーと思われた方もいますよね……。
ただ、これを知っておくとAIについて更に深く理解出来ますので是非ご一読ください!
生成AIの中心には、大規模言語モデル(LLM)の技術が存在しています。
しかし、その精度を最大限に引き出すためには、基盤モデルの進化だけでは不十分なんですよね。
そこで注目されているのが「RAG」という技術です。
RAGとは
RAGは、Retrieval-Augmented Generationの略で、
日本語に訳すと「検索拡張生成」や「検索強化生成」と言われています。
検索(Retrieval)機能を拡張(Augmented)し、
質の高い回答を生成(Generation)できるようになることから、
それぞれの頭文字を取って「RAG」と呼ばれています。
私なりの解釈から分かりやすく「RAG」を解説すると
- データを読み込む技術
- 既存のドキュメントやデータベースから関連情報を検索する技術
- より精度の高い応答を生成する技術
と言えます。
LLMは膨大なデータをもとに学習しますが、そのデータはトレーニング時点でのものに限られます。
そのため、
RAGは、
専門的で最新の情報を取得し、それを生成プロセスに組み込むことで
ユーザーに対して、より有益な情報を提供することが可能となります。
文字通り「拡張」「強化」してくれる役割ですね。
RAGシステムの主要要素の解説
もう少し言葉の意味から分解して考えていきましょう!
1. 検索:Retriever
役割RAGの枠組みで中心的な役割を果たします。
ユーザーのクエリに最も適した情報を膨大なデータベースから探し出し、取り出します。
- クエリに関連する情報を特定し、取得します。
- クエリの意味を解析し、意味に最も合致するデータを探し出すことができます。
- セマンティックサーチ(意味内容に基づく検索)やキーワードベースの検索技術を使用して関連性の高い情報を抽出します。
検索の性能がRAGシステム全体のパフォーマンスに大きな影響を与えます。
2. 回答:Generator
役割検索から収集された情報を基に、自然言語での回答やテキストを生成します。
機能- 検索結果を基にして、ユーザーの質問や要望に対する具体的な回答を形成します。
- クエリと関連データを巧みに組み合わせ、テキストを生成します。
- 回答のパフォーマンスが、最終的に生成されるテキストの品質や正確性に直接関わります。
- RAGシステムの出力の品質を決める重要な部分です。
3. 拡張:Augmented
役割検索と回答の両方にさらなる情報や機能を加えることで、システム全体の性能を向上させます。
機能- 検索アルゴリズムを洗練し、データソースの種類を増やします。
- 生成されたテキストをその文脈に適合させます。
- 反復的な検索や、適応的な検索などの技術を採用して、RAGの精度を高めます。
RAGのメリットについて
1.最新情報の提供
リアルタイムで最新の情報を検索し、それを基に応答を生成するため、常に最新の情報を提供することが可能。
2.専門性の高い情報の提供
特定の専門分野やニッチなテーマに関しても、関連情報を外部から取得することでより正確な情報を提供。
3.ユーザー体験の向上
ユーザーの質問に対して的確かつ迅速に回答できるため、ユーザー体験が大幅に向上。
4.トレーニングコストの削減
外部情報を活用することで、LLM自体を頻繁にトレーニングし直す必要がなくなり、コストや時間の効率化。
「最新」「正確」「体験」「効率化」この4つのメリットで恩恵がありそうです。
他にも様々なメリットが考えられそうですね。
RAGの活用例
例1)医療分野でのRAG活用
医療分野では、常に新しい医療情報とその精度が非常に重要です。
例えば、医療診断を支援するAIシステムにおいて、RAG技術を導入するとします。
患者の症状に基づくクエリを入力すると、AIシステムが
最新の医学論文やデータベースから関連情報を検索し、それをもとに診断案を提示。
従来のシステムでは提供できなかった
また、情報もリアルタイムで取得できるため、専門医の少ない地域でも
高度な医療サービスを提供できるかもしれません。
例2)法律分野でのRAG活用
法律分野では、膨大な法令や判例の中から関連する情報を迅速に検索し、正確なアドバイスをすることが求められます。
例えば、法律事務所でRAG技術を導入したAIシステムを活用すると……。
法律に関する文章は、テキストで大量に蓄積されていますよね。
そのテキストや、独自ナレッジなど関連する情報を読み込み、
検索・抽出して、これをプロンプトに組み込んだ上でLLMを活用。
今までに比べ、クライアントからの法律相談に対して
すでにチャットボットなどもいくつか作られており、法律相談や問い合わせ対応などは、
RAGの技術を活用したオペレーションが今後は一般的になっていきそうですね。
- Leagal AI (ジークラウド、Leagai AL)
- チャット法律相談(α版) (弁護士ドットコム)
法律に詳しくない方々にとっても、
法律や判例などのナレッジが活用できるだけで大きな恩恵を受けられますね。
まとめ
RAGは、LLMの精度を飛躍的に向上させるための
重要な技術ということが分かりましたね。
最新情報や専門的な知識を学習させて、それを基に応答を生成することで
ユーザーに対して常に最適な情報を提供することが可能となります。
今後、様々な業界で専門分野におけるナレッジやデータベースを活用し、
RAGの有効性が顕著に現れていくことでしょう。
生成AIの利用価値が更に高まることが期待できますね。
今回は、概念が中心の話ではありましたが、
意味が分かってくると興味や関心が高まり面白くなると思います。
是非、皆さまの会社や業界のナレッジを活用した「AI」について社内で議論してみてください。
色んな可能性がきっと増えてくると思います。
AI活用の相談もお待ちしております!
それでは本日もGOOD JOB!!
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