こんにちは、ワークスアイディの奥西です。
ここ数年、受発注や請求書処理、システム間のデータ転記など、
人がマウスとキーボードでこなしてきた定型作業をRPA(Robotic Process Automation)が代行し、
『人件費削減』『ミス削減』『業務効率化』を実現する企業が一気に増えました。
そんな中、RPA(WinActor)をご利用中のお客様から
「AIエージェントの活用を検討したい」というご相談いただきました。
その中でいただいた質問の1つに「RPAとAIエージェントの違いは?」というもの。
どちらも“自動化”の文脈で語られるため、同じように見えがちですよね。
本日は、2025年10月時点の知見をもとに、実務感覚を交えつつ
DXの次のステージへ、一緒に考えていきましょう。
RPAとAIエージェントの違い
📌RPA=ルールで動く『手足』。定型業務の高速・正確な再現が得意
📌AIエージェント=状況を理解して動く『頭脳』。非定型・判断が伴う業務に強い
(1)定型業務か、非定型業務か
RPAは「画面上の要素を認識し、事前に定義した手順を正確に再現する」仕組みです。
▶よくあるRPA活用例
- 各種システムからデータを抽出しExcelへ転記
- 定型フォーマットのレポート生成
- 受注データをEDIから基幹システムに登録
一方、AIエージェントは
自然言語・画像・音声を理解し、状況に応じて最適な処理を選べます。
▶よくあるAIエージェント活用例
- フォーマットが異なる請求書から必要情報を抽出し自動仕訳
- 問い合わせメールを意図別に分類、要約し、返信案を生成
これまで“人にしかできない”とされた知的業務にも、AIエージェントの適用範囲が広がっています。
(2)ルールベースか、知的パートナーか
RPAは事前定義のルールに忠実で、
ただ一方で、UI変更やデータ形式の揺らぎに弱く、シナリオの修正やテストなど
メンテナンスコストが発生しがちです。
AIエージェントは、大規模言語モデルやマルチモーダル(テキスト、音声、画像)の
認識能力を用いて、
画面やシステムが更新されても意味を捉えて適応できるため、
従来型RPAにはない耐変化性を持ちます。
単なる自動実行者ではなく、
(3)確実性か、不確実性の受容か
RPAの設計は、業務の標準化・固定化が7~8割で、変化は障害であり抑え込む前提で設計します。
人が設計したシナリオ通りに動くため、判断や学習はほとんどせず
PC作業のプロセスを自動化して働く存在です。
つまり、PC操作の
AIエージェントは、不確実性を前提に変化を受け入れる設計。
システムの境界や業務手順を厳密に固定せず、利用を通じて知識の厚みが増し、
人と共に“育つ”設計思想が中心にあります。
その狙いは
(4)自動化から自律化へ ―共存によるシナジー最大化
RPAとAIエージェントは、どちらかがどちらかを置き換える関係ではありません。
これからは
〈分担例〉
RPAが複数システムからデータを収集
↓
AIエージェントが分析・要約
↓
次アクションを提案・指示
[タスク実行]だけでなく[判断・選択]も自動化の対象に。
ルール駆動から、データ駆動・目的駆動へのパラダイムシフトが進み、
(5)AIエージェント導入のポイント
いきなり全面自動化を狙わないことが成功の近道です。AIは万能ではありません。
初期は教師データの整備、プロンプト設計、権限管理・監査などのガバナンス設計が鍵になります。
▶おすすめの進め方[STEP]
- RPAで定型業務を安定稼働
- AIエージェントに例外処理、問い合わせ対応、分析・報告など
[判断を伴うタスク]を段階的に委譲- 人とAIの役割分担を継続的に見直し、学習・改善を回す
AIエージェントの導入は
「AIに何をさせるか」以上に「AIと人がどう協働し価値を拡張するか」を設計することが重要です。
つまり、RPAが『人の作業を代替する自動化』であるのに対し、
AIエージェントは
まとめ
RPAがもたらしたのは作業時間の削減
AIエージェントがもたらすのは思考時間の創出です。
これこそがAIエージェント時代の本質ですね。
ぜひ皆さまの会社でも、『RPAとAIエージェントの違いと共存』をテーマに議論を始めてみてください。
どこから着手すればよいか迷われたら、現状業務の可視化からご支援します。
それでは、本日もGOOD JOB!!
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