MENU

for Ideal Design

コラム

2025年上期ヒット商品番付に学ぶ“変化の兆し”──変化と共感の時代

仕事 ビジネスデザイン 生産性向上 変化と体験 新たな問いへの挑戦

2025年上期ヒット商品番付

こんにちは。
ワークスアイディの奥西です。
恒例の「日経MJ ヒット商品番付」――2025年上期版が発表されました。
今回も、さまざまなジャンルから話題の商品やサービスがランクインしています。
2025年上期ヒット商品番付一覧表

出典:日本経済新聞社

ちなみに、私の個人的なヒット商品は、PC周りのアイテム。
延長コード付きのUSB・Type-C・ACコンセントがまとめて充電できる電源タップです。

外出が多い私はコンセント難民になることも多いですが
この電源タップがあれば複数の機器をまとめて充電できるので、とても重宝しています。

皆さまの2025年上期のヒット商品は何かありましたでしょうか。

流行ランキングに見えるこの番付ですが、
時代の価値観の変化、「今」を映すリアルな情報なので
一緒にチェックしていきましょう。

西の横綱「大阪・関西万博」

西の横綱に輝いたのは「大阪・関西万博」。

既に本コラムをご覧いただいている方の中にも、
現地に行かれた方も多いかなと思います。

1日の来場者も15万人を超えて、期待と関心の高さを物語っています。

この万博は単なるイベントではなく、
People’s Living Lab「未来社会の実験場」として位置付けられています。

格差や対立の拡大といった新たな社会課題や、
AIやバイオテクノロジー等の科学技術の発展、その結果としての長寿命化といった変化に直面する中で、
参加者一人一人に対し、自らにとって「幸福な生き方とは何か」を正面から問う、初めての万博です。
(引用:2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)サイト)

こうした視点はビジネスの在り方にも重なります。
製品やサービスの「完成品」を一方的にお披露目するのではなく、
社会課題への問いを共有し、顧客とともに価値を探る「共創型の実験場」が重視されるようになってきました。

企業が一方的に提供する商品・サービスよりも、体験を通じて共感を生み、物語を紡ぐ。
万博が象徴するのは、そうした「参加型」の価値創出のあり方なのかもしれません。

西の前頭「居酒屋第4世代」

西の前頭には「居酒屋第4世代」がランクインしています。

少し聞き慣れないフレーズかもしれませんが、
これは今、若い世代を中心に注目されている「体験重視型」の飲食空間を指すようです。

従来の「安さ」や「手軽さ」に加え、
内装や演出、メニュー開発に至るまで、SNS映えや没入感といった「体験価値」が重視されています。
「何を食べるか」よりも、「誰と、どんな時間を過ごすか」に軸が移っているのです。

ちなみに「第1〜3世代」にも興味がある方は、ぜひ検索してみてください。
思いがけず知っているお店が含まれているかもしれません。

この「体験重視」の流れは、飲食業界に限った話ではありません。

ワークスアイディでも、デジタル人材育成の現場において
実践で活かせる研修を企業向けに提供させていただいておりますが、
これまでの「情報伝達型」の研修から「体験型・実践型」の研修へとシフトしています。

プロダクトアウトではなく「エクスペリエンスアウト」の発想
現代のトレンドとも言えそうですね。

東の前頭「無印良品・竹材蒸篭」

東の前頭には「竹材の蒸篭(せいろ)」がランクインしました。

「蒸篭(せいろ)」というアイテムがトレンドに入るのは、意外かもしれません。

しかし近年、「丁寧な暮らし」や「自然素材志向」、「生活のミニマリズム」など、
生活の質を見直す価値観が広がっていることを考えると、納得の選出です。

ビジネスにおいても、「便利さ」や「役立つ」だけではなく、
「意味のある選択」「サステナビリティ」が重視される時代になっています。
そうした価値観の変化が、プロダクトの選び方にも色濃く反映されているのです。

特に注目すべきは、「昔ながらの道具」が再評価され、
現代生活にアップデートされている点です。

これは、企業がレガシー資産を見直し、
環境や社会に調和した新たな価値提案を模索する流れと重なります。

自社のサービスや商品も「温故知新」の視点で見直し、
持続可能性や本質的価値の再構築を図ることが、これからのブランディングの鍵になりそうです。

西の前頭「ローソン スープ激うま!」

西の前頭には、「スープ激うま!」がランクイン。

この「スープ激うま!」シリーズは、
具材の入っていないスープと麺だけのシンプル仕様のカップ麺です。
一見すると地味な商品に見えるかもしれませんが、
その「引き算」の設計が今のニーズに刺さっているようです。

(このコラムを書くために調べていたら
すぐにでも買いに行って食べたくなってきました。)

味・価格・手軽さという三拍子に加え、
ちょっとした贅沢感や手頃な満足がSNSで拡散され、話題になっています。

この「ちょっとした満足」こそ、今の消費者心理を象徴しています。

大きな消費よりも、小さな感動への共感が重視され、
それがトレンドやヒットの原動力になっているのです。

サービスや機能を過剰に盛るのではなく、
「即効性」「わかりやすさ」「使って心地いい」という視点が、選ばれる理由になります。

ITサービスやSaaSにおいても同様で、機能的要素よりも
「小さな感動」の積み重ねが継続利用の鍵になります。

東の前頭「高輪ゲートウェイシティ」

JR東日本が進める「高輪ゲートウェイシティ構想」は、まさに「都市の再定義」とも言えるプロジェクトです。

「通過する駅」ではなく、「滞在する価値を持つ空間」へと進化しようとしている点が注目です。

私も仕事で行きました。
予定があった為滞在することはできませんでしたが、洗練された設計が印象的な空間でした。

この都市開発から見えてくるのは、機能性一辺倒ではなく、
「滞在したくなる空間」や「感性に訴える場」が求められているということ。

オフィス、展示会、接客、あらゆる接点が単なる「機能提供の場」から「ブランディングの場」へと再定義されつつあります。

いま、場づくりに求められているのは「居心地の良さ」や「共感できる空気感」。
企業活動においても、体験の質がそのままブランド価値を形作る時代になってきています。

「変化のきっかけ」「体験の起点」

今回のヒット商品番付を通して見えてきたのは、
「体験価値」「共感」「サステナブル」「即時性」「自己実現」といった、「消費」そのものの意味が変わりつつあるということです。

ワークスアイディでも「変化と体験」をバリューに掲げています。
私たちは、サービスや取り組みが「変化のきっかけ」となり、
ユーザーにとっての「体験の起点」となることを目指しています。

ITの領域でも現在のトレンドを踏まえて
商品やサービスにより一層「変化と体験」が求められるようになっています。

企業での「AI活用」も一つの「変化と体験」です。

・社内問い合わせの自動化
・AIトレーナーによる従業員の成長支援
・顧客の課題や価値観に寄り添った提案体験の進化
・リサーチ力を強化して仕事の質の向上

これらはすべて、「変化を支援する体験装置」としてのAIの可能性を示しています。

AIを通じて、“働くをデザインする”。
そんな視点で、私たちはこれからのサービス開発に取り組んでいきたいと考えています。

まとめ

2025年上期のヒット商品番付、いかがでしたでしょうか。
これは単なる流行ランキングではなく、
「人が何に価値を感じ、何を欲しているか」をリアルに映し出す羅針盤とも言えます。

今、私たちに問われているのは、単に最新技術を使いこなすことだけではなく、
「人の物語に、どうテクノロジーを重ねていくか」という視点です。

是非、皆さまの会社でも「2025年上期ヒット番付」について
議論してみてください。

それでは本日もGOOD JOB!!

ワークスアイディは、「『働く』をデザインする」をコンセプトに、企業の課題解決をサポートします。

▼ご相談はこちらから
生成AI活用オンライン相談会

▼こちらもおすすめ