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デジタル化とDXの違いとは?4つの違いで分かりやすく解説

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デジタル化とDXの違いとは?4つの特徴で分かりやすく解説

こんにちは、ワークスアイディの奥西です。

お客様とのミーティングで、
「うちもDXを進めています」「デジタル化に取り組んでいます」
というお話を伺う機会が増えました。

ただ実際には、紙の書類をデータ化したり契約を電子化したり……
こうした取り組みを「DX」と呼ばれることがあり、
前提の認識がズレたまま議論が進む場面も少なくありません。

言葉の定義があいまいなままでは、経営と現場の間にギャップが生まれ、
「どこまでできたらDXと言えるのか?」という終わらない議論に陥りがちです。

そこで今回は、コミュニケーションの認識齟齬をなくすために、
『デジタル化』と『DX』を4つの観点から整理し、
さらに、最近よく耳にする『AX(AI Transformation)』との違いについても考えていきましょう。

元々、言葉の定義に曖昧な部分があるのも事実ですので、ぜひ読者の皆様のご意見も伺えると嬉しいです。

デジタル化・DX・AXの定義

 デジタル化 

既存業務をデジタル技術で効率化し、部分的にユーザー体験を改善する取り組みです。
紙やExcelで処理していた業務をシステム化する、営業報告をクラウドで共有するなど、
“今のやり方をデジタルで便利にする”のが中心です。

 DX(Digital Transformation) 

デジタル技術を活用して、製品・サービス・ビジネスモデル、
ひいては収益構造や企業文化まで変革する全社的なアプローチです。
単なる自動化・効率化にとどまらず、事業のあり方そのものを再定義します。

 AX(AI Transformation) 

DXの進化形として注目されています。
AI(機械学習、生成AI、自然言語処理など)を中核に、ビジネスプロセス、意思決定、
顧客体験、ビジネスモデルを“AI起点”で再設計する考え方
です。

DX … クラウド、IoT、モバイル等でビジネス構造を変革

AX … AIを中心に、価値創出と意思決定プロセス自体を変革

共通するのは“X”(トランスフォーメーション=変革)。

『AX』は“AIが可能にする新しい働き方・事業の仕組みを前提に
会社をデザインし直す取り組み”と捉えると分かりやすいでしょう。

(1)目的の違い

 デジタル化 

業務効率化、コスト削減、部分的なユーザー体験の改善。

– 例:
チャットボットで問い合わせ対応を迅速化。
営業見積の自動化でリードタイム短縮。

 DX(Digital Transformation) 

AI・デジタル社会での競争優位の確立。

– 例:
サブスクリプションなど新たな収益モデルの立ち上げ、
顧客データ活用による高度なパーソナライズとLTV最大化。

ゴールは、経営の土台となる価値提供と収益構造の再設計です。

(2)対象範囲の違い

 デジタル化 

特定部署・特定サービス・特定プロセスが対象。

– 例:
電子契約の導入で押印業務をクラウド化し、手続き時間を短縮。

 DX(Digital Transformation) 

企業全・体を貫く“エンド・ツー・エンド”の変革が対象。
製造業であれば、工場のIoT可視化に留まらず、
調達・製造・物流・販売・アフターサービスまで連動した最適化を目指します。

(3)投資スタンスの違い

 デジタル化 

短期ROI(投資対効果)を重視。
数カ月〜数年で投資回収できる案件が中心で、効率化インパクトが評価軸になります。

 DX(Digital Transformation) 

中長期の戦略投資。
新規事業、M&A、共創など、価値顕在化まで時間を要する取り組みも多く、
短期ROIに囚われすぎると進みません。

ビジネスモデルや企業文化の変革は時間軸を伴うことを前提に、
マイルストーン設計が重要です。

(4)主体(誰が主導するのか)の違い

 デジタル化 

現場主導になりやすく、情報システム部や各事業部が推進。

 DX(Digital Transformation) 

経営主導で全社横断に推進。
営業部門だけがAIで効率化しても、それはデジタル化に留まります。

経営戦略として「顧客接点を再定義し、サービスモデルを刷新する」。
ここがDXのスタートラインです。

まとめ

デジタル化 … 部分最適・効率化・短期ROI・現場主導

DX … 全社最適・競争優位の確立・中長期投資・経営主導

AX … AIを中核に意思決定と価値創出プロセスを再設計

AI時代のDXは、ツール導入で終わりません。

経営層がリーダーシップを発揮し、組織文化や人材のマインドセットまで変える、
その覚悟が成果を分けます。

ワークスアイディがご支援した製造業のお客様では、
生産計画の意思決定にAI・機械学習を導入しました。

これまで、ベテラン担当者がExcelやサブシステム、そして“経験と勘”で
組み立てていた計画を、需要予測に基づくAI提案で高度化。
初期は「AIに任せるのは不安」という声もありましたが、
過去データや熟練者の知見を学習に反映し、計画精度を継続的に改善しました。

結果、担当者は単純調整から解放され、改善活動への時間投資が増加。
「私の仕事をアップデートしてくれた」という現場のポジティブな声が印象的でした。

ぜひ皆さまの組織でも、『デジタル化』『DX』『AX』を同じ土俵で議論し、
目指す“X”の姿を言語化してみてください。

それでは、本日もGOOD JOB!!

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