現在、データサイエンスは医療・教育・エンタメ業界など様々な業界で活用されています。
「データサイエンスの活用事例が知りたい」
「過去の成功事例を知りたい」
データサイエンスに興味を持っていても、どのように活用したらいいのかわからないとお悩みや課題ははありませんか?
そこで、この記事ではデータサイエンスで課題解決ができる分野、データサイエンスを進める8つのステップ、地域における活用例などについて紹介します。
過去の成功事例や活用例を参考に取り組むきっかけになれば幸いです。
データサイエンスとは
データサイエンスとは、人工知能(AI)や統計学、数学、特殊プログラミングなどの方法を活用し、データ解析や分析を行うことを指します。
AIを使って効果的な学習モデルを作り、自社のビジネスに役立つデータを取得します。
データサイエンティストとは、データサイエンスから導き出されたデータを活用しビジネスに付加価値を与える人です。
データサイエンスで課題解決ができる分野とは?5つの活用事例を紹介
データサイエンスで課題解決ができる5分野の分野について活用事例を紹介します。
①医療業界
- 新薬の開発でビッグデータを分析し、薬の効果や安全性などを研究
- 過去の医療データから、疾病リスクを判定し病気を予防
- オーダーメイド医療による、特定の病気に関する遺伝情報解析や薬の臨床研究
- 採取した唾液から、病気のリスクや体質がわかる遺伝子検査サービス
- LINEの情報をベースにした、新型コロナウイルスの感染対策(厚生労働省)
- 内視鏡検査の画像や、レントゲン写真の判定
②エンタメ業界
オンラインゲームでは、ユーザー行動の分析にデータサイエンスを活用しています。
ゲームに対する熱量や、遊び方の異なる個々の嗜好。プレイ時間や支出などを把握し、ユーザーの満足度を高める施策やサービス改善を行うことが可能です。
また、「那須高原りんどう湖ファミリー牧場」ではNTT東日本と協力し、来訪した人の人流データや各施設を周遊したデータを活用し、周遊促進に向けた実証実験を行い、那須町全体での売上向上に取り組んでいます。
③飲食業界
現在、多くの飲食店では、電子決済や電子ポイントカードを採用しています。
データサイエンスを活用し、顧客ごとの購買行動について分析できるようになりました。
電子ポイントカードを導入すると、会員情報を通じて以下のデータを分析できます
- 年齢、住所、職業などの顧客情報
- 年齢別に売れている商品の分類
- 売上件数が高い曜日や時間帯
- 購入履歴
- 来店頻度
その結果、顧客層を把握しマーケティングや販促に活かすことが可能です。
④物流業界
データサイエンスを活用し、GPS・地図を使い配車計画・運行計画を管理できる配車管理システムがあります。
地図上のルートを地図に表示でき、配送先の時間指定や渋滞情報を把握可能です。
また、配送ルートを自動化できるため、ベテランや未経験者のドライバーを問わず、業務の標準化を図れます。
データサイエンスによって、効率的な配送とガソリン代の削減を実現し、企業の売上向上にもつなげられるでしょう。
⑤製造業界
製造業界では、工場で機器の故障をデータサイエンスによって検知しています。
経年劣化で故障が起きやすくなった設備や機器は、故障が起きる前に異常な音が発生します。
人間が察知できない異常音を察知することにより、故障発生時期を予測でき、操業停止を予防することが可能です。
データサイエンスの活用によって保守担当者の配置も最適化できます。
データサイエンスの地域における活用例
宮城県は、大規模地震が起きた場合、気仙沼市に津波(最大22mの高さ)が到達し、浸水の被害は宮城県全体で東日本大震災よりも20%拡大するとした想定を発表しています。
過去の気象データと被害記録を統計処理から、災害に備えてどのレベルで市が体制を整えるべきかを示すモデルを開発しています。
予測モデルをベースに、想定される災害規模の予測結果のツールを作成し、迅速な災害対応ができるようになりました。
予測データに利用したデータは仙台市で風水害が起きた事例における以下のデータです。
- アメダス観測雨量
- 警報発表履歴
- 地上天気図
- 市の被害報
参考:総務局統計局「過去の気象・被害データに基づいた災害規模予測の導入」
データサイエンスを進める8つのステップ
データサイエンスを進めるには、次の8つのステップが必要です。ここから詳しく解説します。
目的
まずは自社がやりたいことや解決したい課題をはっきりさせる必要があります。
データサイエンスを活用しても業務効率化やコスト削減などの方法でしか活用できないと、経営戦略に生かすことはできないでしょう。
新たな価値を創出するため、経営戦略と結び付けられるような役割を持たせる必要があります。
課題
課題は、上述したように組織全体の目標につながるように設定します。
自社の課題を洗い出しデータ活用における目標を理解しましょう。データサイエンスによって解決すべき課題と目的を明確化しKPIも設定します。
担当者だけではなく、経営者も含め全社で考えていく必要があります。
仮説
洗い出した課題について解決策を考えていきます。
ここでは、優先順位や実行可能性を想定し仮説を立てます。データサイエンスの仮説とは、課題との因果関係です。
課題に対して、原因や関連性を抽出し、仮説を立てることができます。目的が具体的ではない場合、最初はアイデア出しで仮説を立てます。
仮説を行うと課題の原因についての確認や新たな原因や課題の発見が可能です。
データ
解析・分析用のデータを準備します。
集めたデータを利用する場合でもプライバシーへの配慮は必要です。
実店舗で集めた顧客の画像は特徴を抜き出したデータに変更し、元データは破棄しておきましょう。
経済産業省や総務省が「カメラ活用利活用ガイドブック」を公開してしるため、必ずチェックします。
活用しやすいデータの条件は以下の通りです。
- 適正な形である
- データの情報を示す特徴が多い
- 欠損がない
- 隔たりがない
- 量が一定以上ある
分析・解析
データ収集後は、データ分析し有益なデータを見つけます。
仮説検証に必要なデータを調整するにはデータのクレンジングやデータ加工が必要です。
データの特徴を分析し、どのような関連性を持っているかを確認すると、データの傾向を把握することができます。
その結果ビジネスの課題を解決するための機械学習モデルを構築できるでしょう。
解釈
モデル構築の後、ビジネスに生かすには、関係者の意思決定が必要です。
データサイエンスの評価とは、データサイエンスを行うことで、データからどのような統計をとることをできたのかを検証をする工程を指します。
データから得られた知見や洞察を可視化し、ビジネスに活かすことが可能です。例えば、マーケティングや商品開発などの戦略を立案することができます。
データサイエンスをビジネスに活かすには下記の点が重要です。
- 人材がそろっている
- 分析できる十分なデータがある
- PPDACサイクルを回せる
※Problem(問題)、Plan(調査の計画)、Data(データ)、Analysis(分析)、Conclusion(結論)に分割した考え方です。
マネジメント
データをビジネスに活用するためのポイントは以下の3つです。
- ビジネスに活かせる状態
- 活かせる状態の継続と進化
- 活用できる体制
機械学習モデルを本番環境で継続的に監視します。常にデータを追加し改善しなければなりません。
実行
実行の段階では、機械学習モデルの品質を維持するために、パフォーマンスをモニタリングします。
モデルの再構築と再教育も行い、常に改善していくことが重要です。
時間の経過によってモデルは最適ではなくなるため、常に監視する必要があります。
作成したモデルの予測値と結果のズレなどもチェックし、自動的な監視システム導入も考えます。
データサイエンス導入における3つのポイント
データサイエンス導入における3つのポイントについて解説します。
使用するデータの統合と規格の統一
機械学習はコンピュータが学習しやすいように整理しなくてはなりません。
データのルールやパターンが決まっていないと正答率が低くなってしまうでしょう。
そのため、使用するデータの統合と規格を統一することが求められます。
また公開されているデータセットを使い、効率的に機械学習をさせる方法もあります。
効率的なデータ収集と分析
データサイエンスにはデータの効率的な収集と分析が欠かせません。
必要なデータが入手できないとプロジェクトが遅れてしまうでしょう。
社内体制を整備して必要なデータを取り出せるようにすることが重要です。
他部署との連携
機械学習モデルは、実際のビジネスに生かすことができて、初めて意味を持ちます。
データサイエンティスト、AIエンジニア、事業部門のスタッフが連携できるようしなくてはなりません。
全社で協力体制ができるような環境づくりが求められるでしょう。
そのため、経営層がデータサイエンスの現実と可能性を理解し、戦略を立てていく必要があります。
まとめ
データサイエンスとは、AIや統計学を使った分析方法です。
データサイエンスの活用によって、医療業界やエンタメ業界、製造業など、様々な分野で課題解決ができます。
しかし、専門的な知見を持ったスタッフの内製化ができない場合、機械学習モデルの構築は難しいでしょう。
当サービスは、機械学習モデルを活用しお客様が抱える様々な経営課題を支援します。
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