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今注目の「AIエージェント」とは?生成AIの次に来る“共創”の時代

AI 仕事 ビジネスデザイン 生産性向上 変化と体験 新たな問いへの挑戦

AIエージェントとは

こんにちは。ワークスアイディの奥西です。

AIに関するニュースやサービスは、日々アップデートされ、各社の進化と競争のスピードには目を見張るものがあります。
AIは産業革命を起こすインパクトがあり、今後5年、10年の間に「仕事の在り方」が大きく変わる可能性を秘めています。

とはいえ、AIを導入した企業すべてが「業務が大きく変わった」と実感しているわけではありません。
実際には、「思ったほど変化を感じられない」という声も少なくないのが現状です。

そのような中、注目を集めているのが「AIエージェント」という存在です。
今回は、この「AIエージェント」とは何か、そして何ができるのかについて、わかりやすく解説していきます。

 
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AIエージェントとは?

従来の「AIツール」や「対話型のチャットボット」は、あらかじめ決められたルールや手順に沿って動作する、定型業務の自動化に強みを持っていました。
たとえば、問い合わせ対応や定型的なレポート作成、定まったルールに基づく業務などです。

それに対して「AIエージェント」は、必要に応じて外部情報をリサーチし、状況に応じて最適なアクションを選択し、さらにその行動結果を「記憶」することができます。
要するに「人に代わって、複雑な課題解決や意思決定を担う、自律的なAI」です。
目標に向かって「自分で考え、調べ、動く」AIだと捉えてください。

AIエージェントの先駆けとされるのは、2023年の「Auto GPT」だと言われています。
以降、言語モデルの進化とともに技術は急速に進化し、2025年には「AIエージェント元年」と言われる様になりました。

皆さまの業務の中でも、定型的なルールベースの仕事、非定型的で情報や状況に応じて判断する仕事など、様々な種類のタスクがありますよね。

定型的なルールベースの仕事であれば、これまで通り、生成AIやRPAでも対応可能ですが、
非定型で柔軟な対応が必要な仕事では、AIエージェントの活躍の場が広がっています。

「調べて」→「考えて」→「行動する」→「記憶する」
こんなAIワーカーが社内にいるだけでも、きっと日々の業務が大きく変わるはずです。

AIエージェントの「4つの役割」

実際に、AIエージェントが「自分で考え、動く」ためには、どのような要素が必要なのでしょうか。
ここでは、AIエージェントを構成する4つの基本的な役割をご紹介します。

1.役割(ペルソナ・タスク)

まずAIエージェントには、「どんな仕事を担うのか」という役割(ペルソナ)が与えられます。

市場調査を担う「リサーチャー」や、スケジュールや情報整理をこなす「秘書」、見込み顧客に提案を行う「営業アシスタント」など、
目的に応じたペルソナを与えることで、AIエージェントは業務の背景や意図を理解し、的確なアウトプットを出すことが可能になります。

2.思考(Chain of Thought)

AIエージェントの特長のひとつが、「タスクをこなすだけでなく、思考プロセスを重視する」点です。

Chain of Thought(思考の連鎖)と呼ばれる手法で、複数のステップを論理的に進め、
仮説を立て、根拠をもとに推論します。

これにより、「なぜその結論に至ったのか?」が説明できるAIとなります。

人間以上の情報量をもとに思考してくれるため、新しい視点や気づきを与えてくれることもあります。

3.行動(ReAct・Reflexion)

AIエージェントは、考えるだけではなく自ら「行動」することができます。

代表的な行動モデルが、以下の2つです。

ReAct(Reason + Act):思考しながらアクションを実行し、実行結果を受けてさらに思考を深めるサイクル。
Reflexion(反省・再考):一度の失敗で終わらず、過去の行動を振り返り、必要に応じて戦略を修正するサイクル。

つまり「やりっぱなし」ではなく、結果に応じて柔軟に試行錯誤できるのが、AIエージェントの強みです。

4.記憶

そして最後に、AIエージェントは「記憶」することができます。

過去のやりとりや成果を記憶し、それをもとに次の判断や提案に活かすことが可能です。

例えば
「A社には以前こういう提案をして好反応だった」
「過去に失敗した手法は避けよう」
といったナレッジを活かして、より精度の高いアウトプットが生まれます。

さらに、ユーザーごとの履歴や嗜好を反映して提案を変えるパーソナライズも、今では実現可能です。

AIエージェントと生成AIの違いとは?

ここで「生成AI」と「AIエージェント」のその違いを整理しましょう。

生成AI:プロンプトに従う“受動的アシスタント”

生成AI(ChatGPT、Claude、Geminiなど)は、
ユーザーの指示(プロンプト)に従って、テキスト・画像・音声などのコンテンツを「受動的」に生成します。

たとえば、「今週の市場トレンドを要約して」と指示すれば、即座にまとめを返してくれる「優秀なアシスタント」です。

社内のドキュメントやナレッジを連携させれば、業務に即した回答が可能なAIアシスタント(RAG活用型)としても活用できます。
ただし、基本的には受け身の応答にとどまり、ユーザーの操作や指示があって初めて動き出す点が特徴です。

AIエージェント:自ら動く“能動的ワーカー”

一方、AIエージェントは生成AIの能力をベースにしつつ、
より自律的に、業務プロセス全体を能動的に遂行することができます。

たとえば、マーケティング担当者の「今週のトレンド調査をお願い」といったざっくりした依頼にも、

  1. 必要な情報源を自ら選定
  2. 収集・分析
  3. 必要に応じて仮説を立てる
  4. 結果をレポーティング

…という一連の流れを「自律的」に遂行する力を持ちます。
つまり、単なる情報生成を超えて、
目的達成に向けて自ら思考し、動き、改善するAIという点が、生成AIとの大きな違いです。

今後はAIエージェントが、カスタマーサポートや問い合わせ対応の自動化、
営業やマーケティングのリサーチ、データ分析の意思決定支援などの分野で、
高度に幅広く、能動的に対応してくれる様になっていきます。

このように、
受動的に回答する生成AI、
能動的に業務を遂行するAIエージェント

という違いを理解することが、今後のAI導入を進める上でのカギになります。

今後、企業での活用においては、業務のユースケースに応じて、
生成AIやRAGを活用したAIアシスタントと、プロセス全体を担うAIエージェントをどう使い分けるが、
AI活用を推進するリーダー・マネジメント層に求められる視点だと言えるでしょう。

AIエージェント時代に求められるスキル・マインドセット

AIエージェントが組織にもたらす変化は、単なる「業務効率化」だけではありません。
本質的には、人とAIが共創することで、新たな価値を生み出す時代へと進もうとしているのです。

これまでご紹介してきたように、AIエージェントは自律的に動き、複雑な業務にも対応できる存在です。
とはいえ現時点では、人とAIが互いに補い合いながら協働することが、最も効果を発揮する形だと考えられています。

では、人間はAIエージェントとどう向き合い、どのようなスキルやマインドを持つべきなのでしょうか?
ここでは、AIエージェントと共に働くうえで重要になる「3つの力」をご紹介します。

①問いを立てる力

AIエージェントは非常に賢い存在ですが、何をすべきかをゼロから考えてくれるわけではありません。

AIエージェントを使いこなすためには、
どんなことを調べるべきか?どんな仮説を検証したいか?という「問いを立てる力」が必要です。

これは、業務におけるボトルネックの発見にもつながる重要な視点です。
AIにうまく仕事をしてもらうには、まず何に注目すべきかを定めることがカギになります。

②フィードバックを与える力

AIエージェントは「使いっぱなし」では育ちません。

期待とズレた成果が出たときこそ、「なぜその答えになったのか?」をAIに問いかけ、
プロセスを可視化することで、AIの精度は徐々に高まっていきます。

人間のフィードバックが、AIの学びを促進するという感覚を持って接することが、今後ますます重要になっていきます。

③人間らしい共感や倫理観

最後に必要なのは、人間らしい判断や感覚です。

どこまでをAIに任せ、どこから人が関与するか。
AIエージェントの提案や結論を鵜呑みにせず、その判断は現場で通用するか?
社会的・倫理的に受け入れられる判断か?といった「共感」や「倫理観」は、人間にしか担えません。

どこまでをAIに任せ、どこから人が関与すべきか。
この境界線を見極める知性とバランス感覚が、これからのリーダーに求められる力です。

まとめ

AIアシスタントやAIエージェントが、企業の現場に本格的に浸透し始めています。
こうした変化の中で最も重要なのは、「まずはやってみる」ことです。

社内ドキュメントを連携させ、質問に答える「AIアシスタント」として活用するだけでも、
業務効率や情報共有の面で大きな変化を感じられるはずです。

また「AIエージェント」についてもいきなり全社導入を目指すのではなく、まずは一つの小さな業務から試してみることがおすすめです。

「どんな業務なら任せられそうか?」
「どの部門で最初に試せそうか?」
そんな問いから、社内で議論をスタートしてみてはいかがでしょうか。

是非、皆さまの会社でも「AIエージェント」について議論してみてください。

AI活用の相談もお待ちしております!

生成AI活用オンライン相談会

それでは本日もGOOD JOB!!

ワークスアイディは、「『働く』をデザインする」をコンセプトに、企業の課題解決をサポートします。

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