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AI時代に“読み・書き・そろばん”?AI時代の「基礎力」を問い直す

業務改善 AI 仕事 ビジネスデザイン 生産性向上 変化と体験

こんにちは。
ワークスアイディの奥西です。

最近、AI活用を推進する企業様向けに
「AI勉強会」を実施させていただく機会が増えてきました。

企業でのAI推進には「理解」「適用」「浸透」の3つのステップがあり
「AI勉強会」は組織内にAIの理解を広げる“第一歩”として、
複数名で参加いただく研修型の取り組みです。

今後ますます進化していくテクノロジーの中で、
“ビジネスの基礎力”と呼べるものはどう変わっていくのか——。

この問いは、教育に関わる企業に限らず、
あらゆる業界・職種のビジネスパーソンにとって、無視できないテーマだと感じました。

今回はその問いを入り口に、AI時代における「ビジネス基礎力」について、
私なりの視点で考えてみたいと思います。

なぜ今「読み・書き・そろばん」を見直すのか

「生成AIは人間の仕事を奪うのか?」
あらゆるビジネス現場で繰り返されるこの「問い」。

急速に進化するAI技術は、業務のあり方だけでなく、私たちの「働き方」や「組織の形」にまで変革を迫っています。

そんな中、改めて見直されつつあるのが「読み・書き・そろばん」という、かつてのビジネス基礎力です。
時代が変わっても揺るがない力として、多くの人が身につけてきたこれらのスキルは、AIの登場によってどう変わるのでしょうか。

今、ビジネスリーダーに求められているのは、
「AIが得意なこと」と「人間にしかできないこと」を見極め、
人とAIの共創で企業価値を高めていく視点
です。

そう考えたとき、AI・デジタル時代における「読み・書き・そろばん」を再定義することは、
これからのビジネスを生き抜くための出発点になるはずです。

かつての「読み・書き・そろばん」とは

では、そもそも「読み・書き・そろばん」とは、どのような力だったのでしょうか。

私も小学生の頃には、「書道」や「そろばん」を習っていました。
(野球やサッカーが早くしたいことを理由に、真剣には取り組めていませんでしたが…。
それなりの級と段になるまでは続けましたが、今では手書きで書く字は酷いものです…)

「読み・書き・そろばん」
この言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。

日本では、江戸時代から現代にかけて、教育の柱として受け継がれてきた基礎的リテラシーです。

「読み」=文章や情報を正確に読み取る力。
「書き」=自分の考えを論理的に書き表す力。
「そろばん」=数字を扱い、計算する力。

この3つはかつてのビジネス社会においても、組織や個人の競争力の源泉となってきました。

例えば、現場での手書きの日報や伝票にミスなく情報を記す「読み書き力」。
在庫や納品数を瞬時に計算できる「そろばん力」。
こうした能力は、業務の正確さとスピードを支えるものでした。

やがて、電卓やパソコン、スマートフォンが普及し、
「読み」は画面で、
「書き」はキーボードで、
「そろばん」はExcelやシステムで
代替されていきました。

そして今、AIが文章を生成し、数字を計算し、データを分析する時代に突入しています。

では、こうした変化の中で、「読み・書き・そろばん」はどのように再定義されるべきなのでしょうか?

AI時代に求められる「読み・書き・そろばん」とは!?

では、AI時代において「読み・書き・そろばん」は、どのように再定義されるべきなのでしょうか。
ここからは、それぞれの力がどう変化しているのかを紐解いていきます。

「読む」:情報の“深さ”を見抜く力

生成AIの文章、BIダッシュボードに表示されるデータ、
社内外から日々流れてくる膨大な情報。

AI時代における「読む」とは、単なる情報収集ではありません。
重要なのは、情報の構造や背景を見抜く批判的読解力

たとえば
「この情報はどこから来たのか?」
「どんな前提やバイアスが含まれているのか?」
「この数字の背後にある文脈や制約は何か?」

これらを見極める力が、表層的な理解を超えた“読み解き力”になります。

簡単に手に入る二次情報よりも、現場で体験した「一次情報」が何よりも価値になります。

AIが提供する情報を受け身で受け取るのではなく、常に「なぜ?」「本当にそうか?」と問いを立て続けること
その思考習慣こそが、AI時代の「読む」力の土台となるのです。

「書く」:表現よりも“構成力”が問われる

ビジネスの世界ではこれまで、報告書や提案書、メールなどに代表されるように「書く力」が重視されてきました。
しかし今や、「AIにどう伝えるか」が同じくらい重要になりつつあります。

生成AIへの「プロンプト(指示文)」をどう設計するかで、
出てくるアウトプットの質も大きく変わりますよね。

さらに、音声入力やマルチモーダルAIの登場により、「手で文章を書く」機会自体も今後は減っていくでしょう。
では、「書く力」が不要になるのか?──決してそうではありません。

求められるのは、「何を伝えるべきか」を論理的に構成する力

つまり、
・情報を整理し、要点を抽出する力
・目的に応じて論点を組み立てる力
・相手に合わせて伝える順序を設計する力

AIが補完するのは「表現」であり、
求められる人間の力は「構成」や「論点の整理」といった文章の骨組みをつくる力ですね。

この構成力こそ、AI時代の基礎的な「書く」力の本質であり、あらゆるコミュニケーションの基盤となっていくのです。

「そろばん」:計算から“データの意味”を読み解く力へ

「BIツールを使いこなせる人材がいない」
「データ分析の意味を現場で理解してもらえない」
こうした声は、今なお多くの企業で聞かれます。

データ分析が容易にできる時代において、本当に問われているのは、
「どのデータを、なぜ、どう見るのか」というデータの文脈力です。

たとえば、
・数字の背後にある仮説や因果関係に目を向ける
・単なる“傾向”ではなく、行動につながる“示唆”を読み取る
・「このデータが意味することは何か?」と問いを立てる

今では計算するのはPCが代替してくれますし、
AI・機会学習で高度な分析も行ってくれます。

重要なのは、「問題の構造を捉え、仮説を立て、問いを設定する力」
この力がなければ、どれだけ高性能な分析環境があっても、価値ある意思決定にはつながりません。

「そろばん力」は、数字を扱うスキルから、データを基にした次の一手を考える力へと進化しているのです。

AI時代の職場で求められる「基礎力」とは

これまで数多くの企業でAI活用やビジネスプロセス改善に携わってきました。
その中で、どんなプロジェクトでも重要なキーファクターになるのが「構想力」と「思考力」です。

組織の慣習や文化、これまでの当たり前、過去の成功体験がバイアスとなり、
新しい視点を阻んでしまうケースも少なくありません。

産業構造の大転換時代にいる私たちに求められているのは、
「このやり方は本当に最適か?」「誰のためのルールか?」と、
当たり前を問い直す力です。

ワークスアイディではAIやITを内製化に向けて「使う」為の
スキル的な研修も企業さま向けに実施しています。

しかし、AIやITツールを「使う」スキル教育だけではなく、

「いつもの社内手続き通りの進め方が本当に良いのだろうか?」
「承認や決裁を得る為に、行っている組織論理や慣習は一体誰のためなのか?」

このような「問い」を持ち続ける思考の習慣こそ、
AI時代の職場で求められる基礎力になるのではないでしょうか。

まとめ

AIの進化によって、人間の知的作業の多くが効率化され、
膨大な情報から「正解らしき答え」が即座に得られる時代になりました。

しかし、これからのビジネスパーソンに本当に必要なのは、
AIの答えをうのみにするのではなく、「問いを持つ力」「意味を考える力」です。

AIには、「目的設定」や「価値判断」「プロセス」「現場の体験を通じた気づき」はできません。

「AIにできること・できないこと」を見極め
AI・デジタル時代の「読み・書き・そろばん」をアップデートすることが大切です。

ワークスアイディでも新たな「問い」に
挑戦することをミッションに掲げています。

是非、皆さまの会社でも「AI時代の読み・書き・そろばん」について
議論してみてください。

本日もGOOD JOB!!

ワークスアイディは、「『働く』をデザインする」をコンセプトに、企業の課題解決をサポートします。

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