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コラム

「デジタルBPO」とは?次世代BPO導入におけるメリット・デメリットと活用事例

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業務効率化やコスト削減に欠かせないアウトソーシングは、自社の従業員だけでは人手が足りなかったり、ノウハウが不足していたりする場合に有効な手法です。しかし、一般的なアウトソーシングよりもさらに一歩進んだ「BPO」というものがあるのをご存知でしょうか。今回はBPOとは何なのか、そのメリットを紹介するとともに、人的リソースではなくツールやシステムによるアウトソーシングである「デジタルBPO」についても詳しく紹介していきます。

そもそもBPOとは

まずはBPOとは何のことなのか、その定義から紹介していきましょう。

BPOとは「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の頭文字を取った略称で、その名の通り業務プロセスをアウトソース(外部への業務委託)することを指します。

一般的なアウトソーシングでは、人材のみが提供される場合や、業務の一部のみを外部に委託するのが一般的です。しかし、BPOはそこから一歩進んで、ビジネスの仕組みやシステムごと外部の業者に委託することを大きな特徴としています。

今回ご紹介する次世代BPOである「デジタルBPO」とは、従来の主流であった人材によるBPOだけではなく、ツールやシステムを活用した新しいBPOの形です。デジタルBPOを導入する企業も続々と増えており、今後新たな主流になっていくと期待されています。

BPOのメリット・デメリット

通常の業務委託に比べてBPOにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

BPOのメリットについて、3つのポイントに絞って見ていきます。

メリット

1:人手不足の解消

BPOの活用とは、自社で新たに従業員を雇うことなく、専門的なスキルをもった即戦力の人材が業務を行うということです。このため、深刻化する人手不足にもスピーディに対応できます。

2:コストの削減

BPOを請け負っている事業者は、数多くの企業から同様の業務を請け負っています。このため、スケールメリットを生かすことができ、自社で人材を抱えるよりもコスト削減になります。また、その分野に特化した人材が多いため、自社で雇用し、一から人材を教育する手間もかかりません。

3:ノウハウの活用

BPOの対象となる業務は、総務や経理といった社内バックオフィス業務はもちろん、コールセンターなどエンドユーザーと接する業務にいたるまで多岐にわたっています。多くの企業で同様の業務を手がけてきたノウハウがあるので、BPOを委託する企業の業務効率化に貢献できます。

デメリット

次に、BPOを活用することによって生じるデメリットをいくつか挙げてみましょう。

1:業務を把握できる人間がいなくなる

BPOは業務をまるごと委託できる大変便利な仕組みですが、一方で自社に業務を把握している人間がいなくなってしまう懸念が生じます。突発的なトラブルがあった際にも社内で業務を把握している人間がいないと、問題に対応できなかったり業務をうまく引き継ぐことができなかったりといったリスクが考えられます。

2:臨機応変に対処できない

BPOは専門的なスキルをもった人材に委託できる強みがありますが、あまりにも業務内容が頻繁に変わるような環境では、その都度業務委託の契約内容を見直さなければならないケースもあり、臨機応変に対処できないという弱点もあります。

BPOの変遷といま重視されるもの

そもそもBPOはどのような経緯で誕生し、現在まで継続されてきたのでしょうか。その歴史を見ていくとともに、今後さらに加速していくであろうデジタルBPOにつながる変遷を詳しく紹介しましょう。

経理や税務作業の委託から誕生

そもそもBPOは、経理や税務のような専門的かつ高度な処理能力が求められる業務を外部に委託するために誕生しました。経営効率を上げて会社の利益を向上させるためには、自社の社員をできるだけ多く、直接売上につながるような業務に従事させたほうが効果的です。

仮に経理担当として新たに人材を採用したとしても、一連の業務について、一から教育していかなくてはなりません。同じ時間教育をするのであれば、代替え可能なバックオフィス業務よりも、利益貢献度が高い業務についての教育に時間を割いたほうが効率的と考える人もいるでしょう。

このように、BPOが誕生した背景には時間とコストを有効に活用するという狙いがありました。

海外拠点への展開

経済のグローバル化が進むにつれて、日本国内だけではなく海外にも拠点を持つ企業が増えてきました。BPOにおいても、「グローバル・デリバリー」といって海外にセンターを構える動きが加速。会計や人事などの業務を海外の拠点に移す企業が続々と登場しました。また、同時に業務プロセスの効率化を重視する動きも加速するようになります。

イノベーションへつなげるBPO

これまでのBPOでは、業務効率化やコスト削減といった点が重視されてきました。しかし、現在多くの企業が取り組んでいるのはBPOによって新たな事業領域や革新性を見出すことです。BPOの事業者は、数多くの企業の業務を手がけるため、1社では蓄積できないような膨大なデータがあります。このなかから、新たなアイデアを創出し顧客ロイヤルティや売上アップにつなげられる可能性があるのです。これらを実現するためには、従来の人間の手を頼った作業だけではなく、デジタルツールを活用したBPOが重要になってきます。

デジタルBPOの実現

イノベーションにつながる次世代のデジタルBPOの実現に向けては、さまざまな手法が考えられます。なかでもテクノロジーを活用したソフトウェアプラットフォームの提供、オンデマンドによるBPOサービスの提供など、従来のBPOの提供形態とは異なる仕組み作りも必要になるでしょう。

デジタルBPOとしてのRPA

現在多くの企業で導入が進んでいるのが、ツールやシステムを活用したデジタルBPOです。ツールやシステムといってもさまざまなものがありますが、なかでも代表として挙げられるのがRPA(Robotic Process Automation)です。これはオフィスでホワイトカラーの従業員が行っていた定型作業をロボットに教えることで、自動化するというもの。

従来のように、人間の手による作業となると稼働できる時間も限られています。しかし、ソフトウェア型ロボットであるRPAであれば24時間365日の稼働が可能。パソコンで完結する定量的な業務であれば、アプリケーションが異なっていてもRPAに作業をさせることができます。当然のことながらRPAの方が人を雇うよりもコストが安く、定型的な作業がメインの場合はRPAによるデジタルBPOの活用が有効であるのは間違いありません。

BPOの実現に向けて

BPOは従来のアウトソーシングではカバーできない専門的な業務まで対応可能にする仕組みです。当然のことながら人の手による仕事には限界がありますが、今回紹介したデジタルBPOを活用すれば、ツールやシステムによってアウトソーシングが自動化され、より効率的に業務を遂行することができるようになります。現在多くの企業への導入が進んでいるRPAも代表的なデジタルBPOのひとつです。ほかにも、AIやデジタルプラットフォームのようにデジタルBPOへの応用が期待されている技術がいくつもあります。

もちろん、すべての業務がすぐにデジタルBPOに移行できるものではありません。まずは、自社の業務を棚卸して、全体の業務フローの中で、どの部分が代替え可能でどこが代替えできない部分かを検討し、最適な業務リソース配分を考えていくことから始めてみてはいかがでしょうか。

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