すっかり季節も変わり、このツーンとした空気・・・🍂
気分もすっきりさせたくて、週末には衣替えをしましたが、そこで感じた「整理整頓」と「業務改善」って考え方がリンクしている!と思ったので、書き溜めておきます。
以前在籍していた会社のオフィスの話ですが、現場作業員の方が出入りする事務所で倉庫は機材とケーブル等が散乱し、ドラマでみるようなキラキラオフィスとは程遠い環境でした。
入社後、実業務を覚えて周囲に目を向ける余裕が出てきた頃、ある方が「事務所にいると疲れる。なるべく外出して人が少ない時に事務作業したい。」と話していました。
現場作業を終えて夕方17:00ごろから事務所まで戻ってきて、その日の提出物(報告書・経費精算)を片付けて、荷物のチェック、翌日の準備をしてやっと1日の仕事を終えます。
すると退社は21:00になってしまうというわけです。
通常業務の日でさえこの時間に退社しますが、それに加えて月に何度か発生するのが「棚卸業務」「締めの作業」。
現場作業が終わるのを待ち、翌日現場作業開始するまでのこの一晩でなんとしても備品の在庫確認・棚卸と数字を締めてクライアントへ報告しなければなりません。
その棚卸作業手順を簡単に記載します。
(1)全在庫リスト(Excel)から、担当する拠点在庫分のみを抽出し一覧にする
(2)一覧を印刷する
(3)リスト表をもって倉庫で在庫と目視で確認
(4)確認した内容をExcelに反映
(5)差異があるものを持ち出し履歴などを追いかけて調査
(6)現場で動きのあった物品の情報を反映する
(7)クライアントへmail報告
物品数が多く、現場作業が繁忙になり物の動きも多くなると、必然的に棚卸作業も難航するようでした。
一番時間のかかることは(5)の部分で、有るか無いか、正しいか誤りか、ファクトは何か『調べる』という行為に一番時間をとられていました。
作業員も現場の持ち出し処理を丁寧に欠かさずしていれば、管理上の在庫と相違があった際に履歴データから発見することができるのに、
そこは個人の心理的な要因で改善も難しいようでした。
事務所内でどんな方がどんな作業を行っていて、どこに課題があるのか見渡してみると、
作業員の方が何に困っていることが多いのか、バックオフィスの管理上で何に困っているのかが見えてきました。
その時に一番に取り掛かったことは「整理整頓」でした。
いくつものプロジェクトが動いている事務所内で、倉庫内の機材も空いているスペースに別のプロジェクトの機材が混在して置いてあるような状態でした。
よく倉庫で作業員の方が脚立に上がり、物をとっては戻して、他の作業員が入ってきても物が取れないというシーンを何度も見かけていました。
この事務所内では、バックオフィスのデスクワークしている方よりも、優先して働きやすい環境にしたほうが良いのは、、作業員の方だと思いました。
現状の倉庫内の機材がどのプロジェクトで使用されているのか明確にヒアリングして付箋でマークを付けていきました。
さらに、どの機材がよく動くものなのか使用頻度を確認しました。
各プロジェクトでどのくらいのスペースが必要か理想的な使用シーンや要望も確認しました。
ここからは各ご家庭のクローゼット収納と同じように、毎日洗濯して毎日着るものは、取り出しやすい高さ・取り出しやすい向き・収納しやすい余白・人の導線を考えて並べていきます。
動かすのに重たいものは上に置かない、身長より上に収納したものは、何が置いてあるかわかるように記載しておく等、
とにかく「誰がみても何がどこにあるかわかること」を心がけて整理していきました。
意外と事務所内で各々別のプロジェクトに取り掛かっていて全体で倉庫内を見直すことがなかったから、
既に終了していて誰も使っていないのに一番取り出しやすい場所を占領してしまっているということもありました。
倉庫の中を一旦全て外に出して並べたり、整理というよりかむしろ散らかしてない?と心配されましたが、
作業を終えた後は作業員がとても喜んでくれて何も言わなくても片付ける場所が分かって、あれがない。これがない。と探すことがなくなりました。
毎日の現場作業へ向かう出発前、現場から事務所に戻ってからの片付け時間が削減でき、毎月の棚卸にかかっていた時間も削減できましたが、何よりの改善効果は作業員のストレスを軽減できたことです。
倉庫の整理は一旦綺麗になっても、毎日の使用方法によって、整理された状態を維持できるかどうかが変わります。
また別のプロジェクトが始まって機材が増えたり、常に状態は変わっていきます。
その度に全体を把握して、現場の方が働きやすい環境、活動しやすい職場にすることを考えて、その時ベストな改善を実行し続ける!ことが大切だと思います。
季節が変わってその時着るものや使うものが変わるように、1年に2度業務のどこの部分を改善すれば働きやすくなるのか、、
オフィス内を見渡してみるのはいかがでしょうか!