AIブーム再来、どう働く?対話型AIを、仕事のミカタにする3つのポイント
DX 業務改善 生産性向上 仕事 ビジネスデザイン シナリオプランニング データでビジネスをもっと面白く データ活用 変化と体験 新たな問いへの挑戦
先進的な大規模言語モデルChatGPTが話題となり、AI技術を活用したソフトウェアやサービスが毎日のようにリリースされ、第4次AIブームの真っ只中。今こうしている時間の中でも、確実にAIは毎秒進化を遂げていきます。
そんな中、労働人口はこれからも減少していく将来は確実で、私たちの仕事の仕方はどう変化していくのか、AIを仕事のミカタにしてビジネスを変革させていくことが必要不可欠となる。
2023年4月、ワークスアイディは、エンタープライズ対話型AIプラットフォーム「Kore.ai」の導入支援サービスを提供開始し、5月19日Campus Studio Online Camp「対話型AI Kore.aiでビジネス体験を変革する3つのポイント!!」と題してウェビナーを開催し、AIを仕事のミカタにするポイントを解説しました。
Campus Studio Online Camp概要
対話型AI「Kore.ai」でビジネス体験を変革する3つのポイント!!
開催日程:2023年5月19日(金)
開催時間:11:00 ~ 12:00
開催場所:オンライン(Zoom)
講師紹介
本ウェビナーの登壇者は、毎週全国6か所の地方拠点を飛び回り、休日はあえてデジタルと距離を置くキャンプライフを送っている、ビジネスデザイナー 奥西佑太さん。
新しいことや誰もチャレンジしていないこと、どうなるのか想像ができない取り組みこそ燃える情熱タイプですが、一方で臆病で慎重な性格を持ち合わせています🤭
お客様と対面で生の声を交わし合う商談の席は、一番輝ける瞬間で大事にしています。
誰よりも多くの顧客の声を聞き、企業が抱えている課題のリアルを知る奥西さんが語る、「Kore.ai」でビジネス体験を変革する3つのポイントとは!?
┃AIブームとAIの進化
デジタル化に留まるDX(デジタルトランスフォーメーション)
これまで、多くの企業が”DX”に取り組んでいますが、アナログの運用をデジタルに変化させることにとどまり、
「X=トランスフォーメーション」することに成功した会社は少ないのが現状です。
これから目指すべき姿へ向かう為に重要なキーワードは、「顧客起点での価値創出」と「エンドツーエンド」の2つ。
複数の機械学習、ソフトウェア、自動化ツールを組み合わせて一連の仕事を実行する概念「ハイパーオートメイション」が理想だが、
まだまだ業務プロセスの一部を自動化することにとどまっているケースが多く、
これからどのようにビジネスを変革させていくのか、トランスフォームさせていくかが課題となっています。
急激に注目が集まる「生成AI」
ディープラーニングが登場し、第3次AIブームが訪れ、2020年以降はDXブーム、現在は対話型AI(人工知能)、ChatGPTの登場が世界中に衝撃を与え、第4次AIブームとなっています。
第3次AIブームでは、目の誕生といわれていました。
現在は、言語・画像・音声・制御・最適化/推論などのAIが発達し、クリエイティブで専門性が高いと言われていた仕事でさえも、AIが実用化されている。
例えば、プログラミングのコードも、精度に良し悪しありますが、7割くらいはChatGPTで作成できるのではないかといわれていて、
2022年より連日、ChatGPT関連のサービスがリリースされています。
ビジネス体験を変革するKore.ai
本日紹介する「Kore.ai」は、様々な種類があるAIの中で、「言語」や「音声」を使うAIを搭載したサービスです。
言語AIを扱うサービスは、これまでも数々リリースされていて、チャットボットを導入している企業も多いと思います。
もともとチャットボットは一問一答形式で、AIチャットでは部分的にホームページ内でテキストのやり取りを行うなどを実現していましたが、これからは社内のシステムと連携し、対話型でビジネスの体験を変えていくことができます。よって、これから生成AI 対話型AIの分野では、一気に実用化が進むことでしょう。
┃対話型AI「Kore.ai」とは
Kore.aiについて初めて知る方も多いと思いますが、もともと「Core=芯」という意味で命名していますが、つづりを「C」ではなく「K」に変えているそうです。
Kore.aiでは、テキストのやり取りだけでなく、音声でのやり取り対話で活用することもできます。
・デモンストレーション
Kore.ai BankAssist デジタルヒューマン – インターネットバンク利用時の顧客体験の最適化
アメリカのスタートアップ企業「Kore.ai」
Kore.aiのエンジンを開発している企業で、これからグローバルに事業を拡大していくフェーズとなりますが、アジアの中心となる拠点を日本に置いています。
ガートナーが対話型AI部門でリーダーに選出
なぜ、私達がKore.aiを魅力に感じたかの理由の一つに、業界最大規模のITアドバイザリ企業である Gartnerが、2023年の Magic Quadrant において対話型AI部門で「Kore.ai」を2年連続で”リーダー”に選出したことがあります。
対話型AIプラットフォームの定義とは
対話型AIに必須な8つのテクノロジーと満たすべきサポート要件がありますが、
Kore.aiは「意図認識」「遂行機能」「文脈を認識・記憶可能」のテクノロジーと「サポート要件」で非常に優れているとされています。
またKore.aiは、独自のマルチエンジンを搭載していることにより、スコアリングして最適な回答を出すことができるため、
ユーザーが発信することの”意図”を認識して対応することができます。
また、ナレッジグラフ(一問一答)とダイアログフロー(シナリオ型)の組み合わせで、
ご利用者様からのお問合せへの自動応答ユースケースを拡大することが出来ることも特徴です。
3つのAIエンジンの特長
Fundamental Meaning(FM)エンジンの特長として、単語や動詞を分解して同義語などの認識と各種マッチングを行い、
認識精度を高めることができるためユーザーの意図をより正確に認識することにつながります。
Machine Learning(ML)エンジンの特長は、人間の会話で起こる主語が抜けても会話が成り立つように、
利用者の意図の切り替わりを認識し発話の揺れも考慮した自然な会話による対応を実現したり、これまでのユーザーとの対話を自動学習することも可能となります。
Knowledge Graph(FAQ)エンジンの特長は、これまでと同様FAQを作成しないといけないことに変わりはないですが、
インデックス化されたFAQ DBを検索、発話内容と比較しスコアリングするため、ハイスコアかつ最短のFAQパスを検出し提示することが出来ます。
Kore.aiは以前のバージョンアップでChatGPTとの連携ができるようになったりと、今後もさらに優れたサービスになっていくことが見込まれています。
┃ビジネス体験を変革する3つのポイント
さて、ビジネスをどのようにトランスフォームしていけば良いのか。
Kore.aiを皆様の仕事でどのように活用していけば、ビジネス変革を実現できるのかについて、3つのポイントをお伝えします。
【1】人に紐づく業務ナレッジから解放
どうしても○○さんに聞かないと分からない。
担当者が退職して、サポートができなくなった。など事業やサポートの継続にも影響することがありますが、
Kore.aiにナレッジを落とし込んで運用していくことで、属人化することによるリスクを軽減することにつながります。
活用シーンとしては、BtoCの場合は、ECサイトの運用で、買い物をする時の体験をキーワード検索から対話型に変化させることができたり、
コンタクトセンターでお客様からの問い合わせに対して、人が対応していた部分を6割7割Kore.aiで代替することができます。
BtoBの場合では、販売店・代理店・取引先とのやり取りが増えた際に、組織の中で専門の窓口を設立することがありますが、その窓口対応をKore.aiで設計することがあります。
しかし、想像しやすい活用シーンは社内利用です。
個人的な生活の変化や環境の変化を会社に伝えないといけないこと、
社内の規則や申請ルールに対する問い合わせ、
問い合わせる部署や担当者が分からなくて困った経験はないでしょうか。
そのようなIT、人事、経理、HR、システムフォロー、営業サポート、リマインドなど、社内のナレッジ、ルール、プロセスをKore.aiで構築することができます。
このようにKore.aiプラットフォームを活用して、顧客体験(CX)及び従業員体験(EX)を変革させることができます。
すべての産業、すべての組織の変革を実現する幅広いユースケース
例えば、全国に2,000名の営業職が在席している会社で、モノ売りからコト売りにシフトしている中で、過去の製品ナレッジが継承されていないことが課題でした。
営業担当者の経験に限定した対応ではなく、理想は会社の中にあるナレッジを活用し、正しい使用方法や、過去の活用事例が資産として継承されていくことです。
さらに保険会社では、様々な細かい条件によって、加入条件を満たしているかどうか、置かれた状況によって分岐が多く、
窓口担当者が正しくお客様に保険のご案内ができるように、コールセンターに問い合わせできるようにしていたが、
電話がつながらない、複雑な内容の場合待たせる時間がかかる課題を、Kore.aiの活用によりお客様体験を最適化し、コールセンターの負担軽減にもつながりました。
【2】「タスク」遂行まで自動化
ChatGPTとの違いといえば、企業の中にある情報データを活用して、タスクの実行まで行うことが出来る点にあります。
様々なツールを活用して、テキストデータ、音声データなどで意図を検知してやり取りを行った後に、
社内の業務システムにデータを登録したり、オペレーターの方のアシストをしたり、
また社内のフォルダや保管ボックスに格納されている様々なナレッジを活用して、業務を遂行することが出来ます。
従来型製品による対応が困難な課題領域の解決策
これまでのチャットボットは、キーワードをマッチングさせて回答していく技術だったため、過去に出てきていないキーワードで問い合わせがきてしまうとうまく対応できないことがあったため、なるべく予想していないキーワードがこないように、インターフェースはメニューボタンを用意して選択してもらうことで、回答の精度を高めていく方法でした。
人で運用する場合、回答できるだけの知識・経験・ナレッジを整備することと、人が対応できるようになるまでの研修コストと時間がかかる課題がありましたが、
Kore.aiを活用して人とバーチャルアシスタントで対応することや、Kore.aiがオペレーターの業務をアシストする方法で、業務負担を軽減しオペレーションの品質も安定します。
さらにシンプルな業務だけでなく、webブラウザやシステムへの入力、データベースの更新など、横断的なワークフローの自動化が可能で、業務改善にも効果があります。
【3】ビジネス体験を変革
先の読めない「VUCA(ブーカ)の時代」と言われていますが、不確実性指数のグラフをみると、年々その変化のスピードが速まっていることが分かります。あくまでAIは、企業の中にあるデータを活用して、高い精度になるように育てていく必要があります。
今後のビジネスでは、AIを武器にすることなく戦っていくということは競争優位性という観点で、厳しくなることは間違いないでしょう。
外部の変化するスピードは加速し、内部の変化をしなかった場合に生まれる機会のギャップに早く気づき、ギャップを埋めていく取り組みを実施するほうがよいでしょう。
これから求められる思考・行動様式とは?
これまではリフォーム、改善する思考で、10時間かかっていたことの1時間削減する発想で取り組むことがありましたが、
これからはまず現状を否定し、ゼロベースで顧客起点に立った時に価値創造できていることなのかどうなのか、バリューに繋がっているのかという思考が求められています。
商品管理・コスト管理を中心に業務を行ってきたことから、徐々に業務プロセスが中心に変化し、セルフサービスやプロセスオートメーション化してきました。
これからは顧客を中心としたサービスと価値共創が重要となってきます。Kore.aiを一つのプラットフォームにして、対話型で様々な体験を変えていくことができます。
ビジネスデザイン プラットフォーム
自社だけではなく、サービスが「顧客」に届くまでのサプライチェーンの設計をAIを活用してどうデザインしていくか、というコンサルティング支援を行っています。
従業員の体験、パートナーとの体験、業務のプロセスの在り方、ビジネスモデルも、テクノロジーも、人のアイディアで変えていく取り組みが求められています。
ボトム80%をAIにより自動化することでパフォーマンスを最大限に
AIに80%の仕事を任せて、残りの20%は今いる従業員の能力を注力させることで、お客様にとっても、従業員にとっても体験価値が変わっていき、競争力に繋がります。
そして、AIにはできない5つのこと。
遊び心(Playfulness)、目的(Purpose)、情熱(Passion)、ポジション(Position)、人との交流(People)。
これらが、皆さんの強み、自社の強みになっていき、働くをもっと面白くすることにテクノロジーを活用しながら、人がいきいきできる環境・社会をつくる支援をしていきます。