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ビジネスプロセス

企業のDX「変革」を阻む「チェンジモンスター」になっていませんか?

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こんにちは。
ワークスアイディの奥西です。

最近、DXを推進する企業が増えています。
AIやデータ活用、業務のデジタル化などさまざまな取り組みが進む一方で、デジタル化自体が目的化し、肝心の「変革」が十分に議論されていないケースも少なくありません。

こうした状況の背景には、組織内に根付いた「蛸壺構造」がDX推進の障壁になっていることがあります。
部門ごとの縦割り構造が情報共有や意思決定を妨げ、全体最適な変革を難しくしているのです。

本コラムでは、この「蛸壺構造」がDXの進行をどう阻むのか、そしてその打破に向けた視点について解説します。
DX推進にお悩みの企業様向けに、ワークスアイディでは無料相談会も実施していますので、ぜひお気軽にご活用ください。

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企業の「変革」を阻害している要因、蛸壺構造

企業の中で部門ごとに独立した文化や価値観が形成され、部門間の壁が強くなることを蛸壺構造と呼びます。

蛸壺構造が発生する背景は様々ですが私なりのビジネス経験に基づくと、外部からのプレッシャーの低さに課題があると感じています。
現在、企業を取り巻く競争環境は急速に変化しており、社内での「論理」が優先される傾向があります。これにより、外部からのプレッシャーが十分に機能していないケースが見受けられます。

近年はSNSの影響により、企業はこれまで以上に世論や消費者の声を意識せざるを得なくなっています。
加えて、上場企業に対しては、東証からの資本コストや株価に関する提案が示され、アクティビストによる株主からの圧力も非常に強まっています。
こうした外部の影響が高まることで、企業の『変革』のスピードは加速すると考えられます。

一方で、外部の変化がグローバルで急激に高まっているのにもかかわらず、社内が「蛸壺構造」に陥っていると
「社内の変化」と「外部の変化」のギャップが生じ、企業の成長を妨げる要因となります。

また、外部からのプレッシャーが不足している企業には、外部人材の受け入れを嫌う傾向もあります。
同じ価値観を持つメンバーだけで運営される組織では、新しいアイデアや取り組みを拒絶し、最終的に企業の成長を阻害する可能性があります。
そのため、外部からのプレッシャーを感じる環境を作ることが、企業の持続的な成長には不可欠であると言えるでしょう。

チェンジモンスターとは

「チェンジモンスター」とはボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の経営コンサルタント、ジーニー・ダック氏が提唱した概念です。

チェンジモンスターとは「改革を妨害したり」「かき回したり」する人間的・心理的な要因の総称である。

「チェンジモンスター―なぜ改革は挫折してしまうのか?」
(ジーニー・ダック著、BCG東京事務所訳、東洋経済新報社刊)より

氏は、人間的・感情的なものから生まれる変革に対する阻害要因を、それぞれ名前を付けたモンスターに例えています。
紹介されていた7種類のモンスターを簡単に説明いたします。

7つの典型的な「チェンジモンスター」

(1)縦割り依存(タコツボドン)

自分の担当範囲以外には関心を持たず、他部門や外部からの関与を拒否する姿勢を持つ。
 特徴:「それはうちの部署の仕事とは関係ない!」などの発言 

(2)内向き志向(ウチムキング)

社内評価を過度に重視し、外部の視点を欠いた内向き志向を持つ。
 特徴:「社内の反応は上々です。このままでうまくいくはずです!」などの発言 

(3)過去依存(カコボウレイ)

過去の成功や伝統に固執し、業績が悪化しても変革や撤退の議論を避ける
 特徴:「先代が手塩にかけた事業を変えようとでもするのか!」などの発言 

(4)現実逃避(ミザル・キカザル・イワザル)

改革の動きを見て見ぬふりをし、嵐が過ぎ去るのを待つ。
 特徴:「どうせ今回もまた掛け声だけ。動くだけ損。様子をみよう。」などの態度 

(5)先延ばし(ノラクラ)

様々な言い訳を用いて、改革の実行を先延ばしにする。
 特徴:「前例はないし、承認されるはずがない。それに忙しくて人手が足りない!」などの発言 

(6)完璧主義(マンテン)

完璧な情報や条件が揃うまで行動を起こさず、結果として改革が遅れる。
 特徴:「まだデータ不足だ。動く前にもう少しじっくり検討しなくては」などの行動 

(7)問題指摘のみ(カイケツゼロ)

問題点の指摘やできない理由の説明は得意だが、具体的な解決策を提示しない
 特徴:評論は得意だが、自ら主体的に企画や提案をすることはない 

 

こういった組織内の人間関係のもつれや、変化への恐れ、過去の成功体験への執着が変革の推進を妨げる要因となっているケースがありますよね。
この概念はすでに20年以も前に提唱されていますが、「変革期」にある今こそ、「チェンジモンスター」になっていないか改めて振り返ってみてください。

【参考】
展望「チェンジモンスター」株式会社ボストンコンサルティンググループ(2002年10月)
https://web-assets.bcg.com/img-src/japan%20tembo-146-change%20monster_1oct2002_tcm9-169992.pdf

変革を進めるための6つの重要ポイント

チェンジモンスターから脱却し、DXの『変革』を進めるうえで重要なポイントも簡潔にまとめます。

1. ビジョンを明確に示す(GOAL設定)

「なぜ変革が必要なのか」「変革後にどのような姿を目指すのか」を、
具体的かつ魅力的に伝えることが重要です。

ポイント:
変革の「意義」と「ゴール」を言語化する

2. 変革のリーダーを育成(巻き込み力)

変革を推進するには、トップダウンだけではなく、
現場のリーダー(ミドルマネジメント層)を巻き込むことです。

ポイント:
リーダー自身が主体的に動ける環境を整える

3. 小さな成功体験を積み重ねる(インセンティブの設計)

段階的に進めながら、小さな成功体験を積み重ねていきます。
インセンティブ設計がないと、成功体験を獲得することができません。

ポイント:
成功事例を積極的に社内で共有する

4. 現場の意見を反映させる(プロ意識の醸成)

現場の声を積極的に取り入れながら、実行可能な変革プランを設計することが大切です。
プロ意識を持つ為の「適切な問いの設定」が重要となります。

ポイント:
変革の途中でフィードバックを受け付け、柔軟に調整する

5. 変革の進捗を視える化する(GAPを確認)

進捗を「視える化」し、
変革が着実に進んでいることを共有することで、従業員の意識を高めることができます。

ポイント:
変革の進捗状況を定期的にレポートする

6. 継続的なフォローと文化の定着を図る(変革は続く)

変革には終わりがありません。
新しい考え方や仕組みを定着させるためには、文化と習慣化が必要です。

ポイント:
定期的に振り返り改善を繰り返す

まとめ

企業の変革を阻害する「蛸壺構造」は、組織の硬直化を招き、じっくりと競争力を低下させていきます。

この構造を打破するためには、外部変化に対する適切な認識と、社内論理に囚われない柔軟な「組織文化」がポイントです。

変革は、「やらされるもの」ではなく「みんなで作るもの」と捉え、組織全体で前向きに取り組む「文化作り」が大切ですね。

是非、皆さまの会社でも「変革」について一度、議論してみてください。

本日もGOOD JOB!!

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