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AI デザイン思考

「生成AI×デザイン思考」実現する顧客理解の進化

AI ビジネスデザイン マーケティング データ活用 変化と体験

こんにちは。
ワークスアイディの奥西です。

昨年2024年1月12日に開催されたウェビナー
「Campus Studio Online Camp」では、
生成AI時代の デザイン思考×DXプロジェクト について講演させていただきました。

※本イベントにご参加いただきました皆様、貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。

このウェビナーでは、デザイン思考を活用した問題解決のアプローチに焦点を当て、それをDXプロジェクトにどう活かすかについてお話ししましたが、
その後、生成AIの急速な発展に伴い、これらをさらに組み合わせたアプローチが注目されるようになりました。

具体的には、生成AIを活用することで、
「デザイン思考」の肝である、顧客理解課題抽出のプロセスをより深く、
そして効率的に進めることが可能になってきています。

実際、私たちも生成AI(neoAI Chat)の活用支援を行う中で、
「マーケティング」分野でのAI活用に関するご相談をいただく機会が増えており、
デザイン思考のフレームワークと生成AIを組み合わせる事例も増えています。

そこで本日は、
「生成AI×デザイン思考」で顧客理解は深まるのか!?
このテーマについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

生成AI×デザインアプローチの可能性

「顧客理解」は、どのような業界でもビジネスする上では重要な要素です。

顧客のニーズを的確に把握し、
それに応じた商品やサービスを提供することは顧客満足を高める条件の一つとなります。

では、生成AIが「顧客理解」プロセスにどのような効果を発揮できるのでしょうか?
まずは、生成AIの強みと、デザイン思考の定義を確認します。

生成AIの強み

  • 膨大なデータを分析し、そこから有益なインサイトを引き出す能力を持っていること
  • テキスト、画像、音声など多様なデータを処理し、パターンやトレンドを見出せること
  • 高速かつ効率的にアイデアを生成し、従来の手法では得られなかった視点を提供できること

デザイン思考とは

「デザイン思考」とは、共感を起点に顧客中心の問題解決を図るアプローチのことです。
この手法では、以下のプロセスを経て問題を解決します。

  1. 共感(Empathize): 顧客の視点に立ち、その感情やニーズを理解する
  2. 問題定義(Define): 顧客が抱えている課題を明確にする
  3. アイデア創出(Ideate): 創造的な解決策を考える
  4. プロトタイピング(Prototype): 具体的な形にして試作する
  5. テスト(Test): 顧客の反応を見ながら改善する

「AI」と「デザイン思考」を組み合わせることで、より深い「顧客理解」が可能なのか?
本コラムでは、この融合によるビジネス活用の可能性を探ります。

生成AIとデザイン思考の融合

生成AIによる顧客インサイトの抽出

SNSやカスタマーサポートのデータを生成AIで分析することで、
顧客の声や感情を抽出できます。

  例:特定の商品に関するポジティブな意見や改善要望を素早く把握できる 

ユーザーインタビュー準備

インタビューの準備においても生成AIは活用できます。
生成AIを活用することでインタビューの質が向上し、短時間で深い共感を得ることができます。

1)質問リストの生成

過去の顧客データや業界トレンドを分析し、顧客にとって重要な課題や関心事を基にインタビュー質問を生成します。

  例:「製品を使用した経験で、特に印象に残ったことを教えてください。」 

2)顧客背景の把握

顧客の購買履歴や利用状況を分析し、
個別にカスタマイズされたインタビューアプローチを設計します。

  例:「特定の機能がどのように日常業務を改善したかを詳しく教えてください。」 

インサイト抽出や問題設定の支援

AIは、大量の顧客データを分析し、共通するパターンを見つけることが得意です。
これにより、表面化していない課題を明確化できます。

1)課題の分類と優先順位付け

顧客アンケートやフィードバックデータを生成AIで分析し、
頻出する課題を自動的に分類します。

  例: サービス遅延に関する苦情が特定の地域で多発している場合、その地域での運用プロセスを優先的に改善する。 

2)因果関係の特定
顧客行動データを分析して、特定の課題がどのような要因から発生しているかを特定します。

  例: 購入プロセスの中断が特定のステップ(例: 支払い画面)で発生している場合、そのUI/UXを最適化する。 

アイディア創出

生成AIを活用するとアイディアに気づきを与えてくれます。
限られたリソースの中でも多くの選択肢を生み出し、解決策のヒントを導いてくれます。

1)アイディアのブレインストーミング支援

生成AIを活用して、既存のデータから創造的な解決策を生成します。

2)顧客ニーズに基づくプロトタイプ案の生成

生成AIを利用して、特定のペルソナに向けたプロトタイプ案を複数提示してくれます。

3)過去の成功事例からの学びの活用

生成AIが成功した事例の共通点を分析し、新しいプロジェクトに活用可能なアイディアを導き出します。

実際の活用例:
カスタマーサポートのデータ分析を通じた問題発見でも活用されています。
BtoB企業で、カスタマーサポートで蓄積された膨大な問い合わせデータをAIで分析しました。
その結果、特定のサービスに対する不満が継続的に寄せられていることを発見し、
早急にサービス改善策を講じることができ、顧客満足度が向上しました。

カスタマージャーニーマップの作成

作成するにも手間がかかる為、実際に作成している企業も少ないかと思います。

カスタマージャーニーマップは、顧客が商品やサービスに触れるプロセス全体を可視化し、
各接点での顧客体験を分析するツール
です。

これを生成AIと組み合わせることで、より精度の高いマップを作成し、改善ポイントを明確化できます。

カスタマージャーニーマップの基本構成

1. ステージの定義:認知、検討、購入、利用、リピートといった顧客の行動段階を設定する。
2. 顧客視点での課題と期待: 各ステージで顧客が抱える課題や期待を明確にする。
3. タッチポイントの特定: 顧客が商品やサービスに接する具体的な場面を洗い出す。
4. 感情の追跡: 顧客がどのような感情を抱くかを可視化する。

生成AIを活用することでm上記の内容に基づいたマップ作りのドラフトを、高い精度で作成してくれます。

そのマップを基に議論を行い、顧客のポジティブな声やネガティブな声を抽出し
感情の変化から解像度高く、改善ポイントを効率的に可視化できます。

効果的なプロンプト設計の基礎

1. 明確な問いの設定:何を知りたいのかを具体的にする。
2. 背景情報の提供:必要なコンテキストを付与する。
3. 具体的な出力フォーマットの指示:期待する出力を明確に伝える。
4. 具体的なペルソナの定義:ターゲット顧客像を生成AIに理解してもらう。

プロンプトの作り方も非常に重要です。

例えば、単に「顧客の意見を教えてください。」だと背景情報が不足しているので
具体的な設定や条件を加えることで、より効果的な活用が可能になります。

以前、プロンプト作成をテーマにしたコラムを書きましたのでこちらも参考にしてみてください。

まとめ

生成AI×デザインアプローチの組み合わせは、
顧客理解を深める上で「時間」「アイデア」「質」を大きく変える可能性があります。

まずは色々試して頂き、小さく試行錯誤を重ねることが重要です。

顧客の声を理解し、そこから得られるインサイトを活用することで、
ビジネスの問題設定や仮説力は一段と高まります。

「生成AI×デザイン思考」を活用し、顧客体験の変革を実現していきましょう。

是非、皆さまの会社でも「生成AI×デザイン思考=顧客理解」について
議論してみてください。

大好評の生成AI活用相談会も実施しております。
AIをミカタにして業務プロセスを改善していきましょう。

本日もGOOD JOB!!

ワークスアイディは、「『働く』をデザインする」をコンセプトに、企業の課題解決をサポートします。

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