こんにちは。ワークスアイディの奥西です。
長い夏も終わり、ようやく冬を迎える気候となりました。
企業にとっては予算策定の時期でもありますね。
ビジネスにおいて意思決定の重要性が増すこのシーズンにおさえておきたい、
「サンクコスト(埋没費用)」について解説します。
「サンクコスト」というワードを聞いたことありますでしょうか。
「人は決断にとらわれる」ことで起きている
企業の問題について考えていきましょう。
サンクコストとは?
「もったいない」という心理が引き起こす意思決定の誤り
サンクコストとは、すでに発生し、回収できない費用や労力、時間のことを指します。
日本語では「埋没費用」とも呼ばれます。
これまで時間やお金を投じてきたため
つい辞められずに続けてしまう心理的傾向のことです。
プロジェクトの初期投資や設備投資、長期契約による費用が代表例であり、
これらは
こうしたサンクコストは、企業の重要な意思決定に影響を及ぼし、過去に費やしたコストを惜しむことで結果として選択を誤ることがあります。
サンクコスト効果の歴史
簡単に歴史を振り返ってみましょう。
サンクコスト効果は、経済学者のリチャード・セイラーによって提唱されました。
別名「コンコルドの誤謬」とも呼ばれます。
これはイギリスとフランスが共同で開発した超音速旅客機「コンコルド」が由来です。
赤字が予想されつつも開発が続行されたことで莫大な費用がかかり、
結果、企業は倒産。大きな損失となりました。
この事例は、
案外、辞めれない修正できない正体は「サンクコスト」にあります。
サンクコストによる意思決定の誤り
サンクコストに囚われる意思決定は、企業の成長に悪影響を及ぼすことがあります。
たとえば、期待していた利益を見込めないプロジェクトを続行することで多くのリソースを浪費し、結果的に大きな損失を生むケースが典型的です。
実際、過去に相談いただいた案件の中でも「サンクコスト」状態のプロジェクトがありました。大規模な基幹システムを導入するプロジェクトです。
プロジェクト開始から約2年以上が経過し、
多額の投資を行ったものの想定していた成果が上がらず、
現場からの不満も強まりシステムの利用率も低迷していました。
しかし、プロジェクトに関わった経営陣の頭の中は
プロジェクトを正当化することで必死の状態です。
- 既に数億円の投資を行っているため、「もったいない」
- 当初の目標を達成するまで、さらにリソースを追加投入すれば成功するはずだ…
- 意思決定したことの失敗と推進力の低さを認められない…
プロジェクトの現実的な成功率よりも
サンクコスト効果以外の課題もありますが、
こうした問題を避けるためには、意思決定において冷静な判断が必要です。
DXプロジェクト再出発のポイント
ビジネスにおいても意思決定する際は予め損切りラインを設けることは非常に重要です。
状況や起きている課題によって損切りの仕方もケースバイケースの為
想定していない事態の場合は、立ち止まって再検討していくことも重要です。
サンクコスト効果によってDXプロジェクトが停滞しているという相談もよくあります。
まずはプロジェクトの経緯から内容も含めて見直してみてください。
(犯人捜しをするのではなく課題探しに徹してくださいね)
以下の3つのポイントが大切です。
- 根本原因の分析
プロジェクトが計画通り進まない原因を分析し、次回の投資に活かす - スモールスタートの再検討
小規模部門からの試験的導入など、リスクを抑えつつ段階的に規模を拡大するアプローチを検討する - 他のソリューションやツールの検討
一度失敗したソリューションに固執せず、より適した他のツールやサービスを柔軟に検討する
DX関連のプロジェクトの場合は「代替案を検討する」という選択肢を持つことが多いです。
利用が進まない原因がユーザーの習熟度や理解不足の場合、
教育・サポート体制を見直すことで解決できることもあります。
プロジェクトを推進する上では
まとめ
損切りは失敗ではなく、
過去の投資や努力に引きずられず冷静に状況を分析して現実に基づいた意思決定を行うことで企業の持続的な成長に繋がります。
是非皆さまの会社でも「サンクコスト」が発生していないか議論してみてください。
それでは本日もGOOD JOB!!
ワークスアイディは、「『働く』をデザインする」をコンセプトに、企業の課題解決をサポートします。
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