
関西・首都圏・東海を中心にマンション分譲や戸建て事業などを展開する総合デベロッパー、近鉄不動産株式会社。
同社が20年使い続けたフルスクラッチの顧客情報システムを刷新 するという難題に対し、ワークスアイディはkintoneを軸に、krewDataやCustomine、レポトンといったプラグインの活用、さらにはPower BIによる可視化まで、システム全般の包括的な支援を提供 しました。現場の熱意と開発チームの技術が寄り添い、2026年3月の本番稼働へと至った「ワンチーム」の軌跡を振り返ります。
導入の背景:「実現できそうだ」と思えたパイロット版の披露
まずは、今回のシステム刷新の経緯から教えてください。
山中 様(マンション事業本部 販売部)
もともと当社が20年くらい使用していた顧客情報システムは、フルスクラッチのシステムで、中身は継ぎ足し継ぎ足しで作り上げた「秘伝のタレ」のような状態でした。
サーバーの保守やOSの限界など理由は色々ありましたが、大きな課題は、中身を詳しく理解している社員がすでにおらず、今の時代に合わせて変えることが難しい状況にあることでした。
そこで、

高橋 様(経営企画室 DX戦略推進グループ)
当初は別のローコードツールで大枠が固まりかけていました。
しかし、社内から「他サービスとの比較検討が不十分ではないか」という声が上がり、急遽ネットで調べ始めて、元々名前を知っていたkintoneにたどり着きました。
タイトなスケジュールの中、ワークスアイディさんから、「販売状況表(物件の価格等の情報を格子状の枠で表現した図表)」という特殊な帳票のデモ版を見せていただいて「これならやりたいことが実現できそうだ」と、一気にイメージが湧きましたね。
ローコードの手軽さだけではなく、

構築プロセス:特殊な業務に専門用語。お互いを理解し合ってこそ生まれた信頼関係
実際の構築まで、異業種同士のコミュニケーションで苦労された点はありましたか?
高橋 様
元々私はITに関心が低くて、当時他のベンダーさんと話していると、うまくコミュニケーションを取れないことがありましたが、ワークスアイディのお二人(上梨・福光)は初心者にもわかりやすく、噛み砕いて説明してくださったので、とても助かりました。
上梨(ワークスアイディ 開発担当)
初期段階で言うと、「できる・できない」の判断をするためにも業務の全体像を理解する必要がありました。
いろんな機能が内蔵されている既存システムをどうkintoneで再現するか、我々も今まで使ったことがないプラグインの組み合わせを考え抜く必要があったからです。

ただ、高橋さんに確認するとすぐにお返事や説明資料までいただけたので、
高橋 様
上梨さんたちは、既存システムのことだけでなく
序盤からそこのすり合わせはしっかりできていたと思いますし、その姿勢が本当にありがたかったです。
福光(ワークスアイディ 開発担当)
逆に高橋さんも、kintoneを勉強されていて、最後の方はご自身でカスタマイズもされていましたよね。
また、我々が悩んでいる時には「こういう風に変えても大丈夫ですよ」と手を差し伸べてくれました。
例えば、バラバラだったアンケートフォームを統一してくださったり、
開発のエピソード:「夢が現実に」システムと仕組み、両方の歩み寄りで実現した帳票出力
今回の刷新を機に、帳票のフォーマットなども見直されたと伺いました。
高橋 様
20年ずっと同じフォーマットで、今となっては重要視していない数値が残っていたりしました。ただ、何もない時にフォーマットを変更すると社内でハレーションが生まれるので難しい。
そこで「システムが変わるから、フォーマットも変えないといけないんです」と、
上梨
高橋さん側で

福光
帳票出力の裏側は、いろんなアプリにまたがったデータをkrewDataで収集し、複雑なものはCustomineを経由して、シンプルなものはレポトンというふうに、
複雑ではあるものの、プラグインを組み合わせることで実現できることが増えるのだと、私自身も大変勉強になりました。
高橋 様
帳票出力に関しては当初、要件定義の段階からイメージをお伝えしてはいたものの「結構難しいだろうな、ハードル高いだろうな」と思っていましたが、開発が進むにつれてそれが実現していったので、
また、このkintoneの波に乗じて、慣れ親しんだExcelの分析表から、いずれ導入したいと思っていた
織部 様(マンション事業本部 販売部 販売管理)
ワンクリックで帳票出力できるのは、現場としても工数が減って助かっていると思いますし、精度が上がっているので
活用の詳細:「CS向上」に向けた熱い思いが動かした渾身のアンケートフォーム
現場で特に喜ばれている機能はありますか。
高橋 様
CS(顧客満足)のために絶対に実現したかったのが、来場アンケート入力時のお客様負担軽減です。
これは、Web上で資料請求した際に入力した情報を、実際に来場した際のアンケート回答時にその情報が
ただ最初は、システムの構成上「難しい」というご説明を受けました。本当に難しいのだと理解はできましたが、それでもどうしても諦められなくて。
上梨
セキュリティ要件含めて難しいご要望でしたが、高橋さんの熱い思いをすごく感じて、「どうしてもこれは実現しないといけないな」と持ち返って何度も検証しました。
高橋 様
最終的には、
難しい要望に対しても誠実に向き合っていただけたことを実感しましたね。
展望とメッセージ:最後はやっぱり「人」だった。寄り添う想いが成功のカギ
今後の展望についてお聞かせください。
山中 様
まずは関西を安定運用させて、
それと同時に、kintoneのデータを活用していくにあたって、AIを使って商談や広告分析ができないかと考えています。
高橋 様
私は現在「DX戦略推進グループ」に異動になりましたので、各事業部のシステム周りの課題に対して、今後は
織部 様
いよいよ現場に落とし込んでいくフェーズに入りましたので、私自身もまだまだ勉強中ですが高橋の後任として頑張っていきたいと思います。

最後に、開発支援を検討されている方へメッセージをお願いします。
高橋 様
要望をお伝えさえすれば、枠組みを考えて、そこから実現まで進行していただけましたし、ワークスアイディさんはヒアリング段階からこちらに寄り添っていただいているのを感じていました。
山中 様
最後はやっぱり「人」ですね。高橋がいつも上梨さんや福光さんのことを褒めていたのが印象的でした。
担当コンサルタントより
近鉄不動産様のプロジェクトは、お客様の「絶対にこの機能を現場に届けたい」という熱意と、我々の「最適な技術で具現化する」という試行錯誤が重なり合った事例です。単なるリプレイスに留まらず、複雑な業務要件をkintoneや各種プラグイン、RPA、Power BIなどでどう実現するかを、まさに「ワンチーム」で悩み抜きました。
特に印象的だったのは、20年越しのフォーマットの見直しなど、お客様側がシステム特性を理解し、柔軟に歩み寄ってくださったことです。
相互の「寄り添い」があったからこそ、より実用性の高い仕組みを整えることができたと感じています。ワークスアイディは、単にシステムを構築するだけでなく、お客様の「想い」を技術で形にし、共に課題を解決する伴走者でありたいと考えています。複雑な要件や長年の慣習にお悩みの方も、次の一歩を共に踏み出すパートナーとして全力でサポートいたします。


取材協力
近鉄不動産株式会社 (https://www.kintetsu-re.co.jp/)
マンション事業本部 販売部 山中寿元 様
経営企画室 DX戦略推進グループ 高橋佳乃子 様
マンション事業本部 販売部 販売管理 織部静香 様