人的資本経営というワードが、話題になっていますね。
■人的資本とは (引用)野村総合研究所
個人が持つ知識、技能、能力、資質等の付加価値を生み出す資本とみなしたもの。
2022年8月7日の日経新聞の一面にも「人への投資」の記事が掲載されていましたね。
社員の能力や人材戦略を見極めなければ、企業の実力を測れないとの見方が強まっているという内容です。
特に若手の成長を重視する企業などでは、株価や業績が高まっていることも明らかになっている様です。
さて、そんな中、本日は「人への投資」「リスキリング」は学ぶ機会の提供だけではない!!についてワークスアイディ ビジネスデザイン事業部 奥西の学びと、考察を踏まえて皆さんと一緒に考えていきましょう。
なぜ「人への投資」「リスキリング」が必要なのか
まずは、なぜ「人への投資」「リスキリング」が必要なのかについて考えてみましょう。
データからイメージできるところでは、マクロ的な観点で2つのデータが分かりやすいと思います。
■1つ目は、株式時価総額ランキングTOP50 (1986年)→(2022年)

私が幼い頃の日本企業は世界での株式時価総額での評価も高く、将来性を見据えて多くの投資家が日本企業に投資をしてくれていました。
当時の私には実感はなかったですが、現在と比べればバブルという状態が想像できます。
今では時価総額の高い、テック企業や金融・エネルギー・一般消費財の企業を中心に、従業員への投資を怠らず行い、優秀な人材を外部から高額で雇い入れていますよね。
人材がまさに競争優位性になるほどの企業ばかりです。
またテクノロジーが進化したことで、労働集約化での規模の経済を獲得するだけではなく、テクノロジーを活用した優秀な人材が少数精鋭でも、生産性を高めて価値を創造できる時代に、既に突入していることも表していますね。
AI時代とは言え、プロダクトやサービスを生み出すのは人であるからこそ、「人への投資」は、より一層、企業価値の創造には欠かせない投資となっていますね。
■2つ目は、人工知能やロボット等により代替される可能性が高い仕事
「英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授」と共同研究をした野村総研による2015年調査において、「国内601種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算」した結果、日本の労働人口の約49%が、技術的には人工知能やロボット等により代替できるようになる可能性が高いと推計されました。
この話は有名ですね。
日本は雇用の流動化が海外と比べて、低いことがあり、組織が硬直化しやすいとも言われています。
そんな中、現状の社会ではどんなことが起きているでしょうか。
それは、仕事そのものは増えているが、技術的失業が起きている。と私は感じています。
社会が変革していく中、コーポレートトランスフォーメーションも急務な状況です。
そんな中、社会や企業の取り巻く環境が変化し、企業で働く従業員にも「変革」が求められています。
国内では、雇用の流動化がダイナミックにできる法規制ではない中、
今いる従業員が新たな知識・技能・スキルを身につけて、個々人が社会や環境の変化に即応せざるおえない状況です。
リスキリング(Re-skilling)には2通りある
経済産業省はリスキリング(Re-skilling)を以下のように定義しています。
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」
リスキリングの取り組みは、早いに越したことはないです。
なぜなら、その先の次の変化には既に乗り遅れているからです。
ここで、リスキリングの2通りの方法を紹介します。
①企業主導型のリスキリング
企業主導型リスキリングで、DX時代に必要な学びを提供している会社もこの5年ぐらいで急激に増えましたよね。
今では役割やポジションに応じて、きめ細かに企業が投資して「従業員への投資」を実施している企業も多いです。
但し、取組みたいのはやまやまですが、人材教育・人材育成に予算を投下できる企業ばかりでは、ありませんよね。
②国家主導型のリスキリング
国家主導型のリスキリングには、まさに中小企業も含めて活用しやすい取組みです。
厚生労働省「人への投資促進コース」が新設されました。https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000935260.pdf
ワークスアイディも「データサイエンティスト養成講座」が、デジタル/成長分野の「高度デジタル人材訓練/成長分野等人材訓練」として認定をいただいた助成金対象の講座を提供しております。
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当社の講座はテクノロジーの体験型で実務に活かした、講座や演習、課題と議論をセットとなり、実務でのデータ利活用に活かし、ビジネスモデルを変革していくことを目的とした講座ですので、手前味噌ですがオススメです。
「リスキリング」は、学ぶ機会の提供だけではなく、将来この会社で必要となるフューチャースキルと、現在のスキルの差分をリスキリングすることが重要と考えています。
その為には、現在のスキルを可視化しておくことも重要ですし、組織として将来獲得したいスキルが何なのか明確にしておくことが、「人への投資」で最も重要なポイントではないかと、多くの企業様を支援していて思うことです。
「リスキリング」は、決して個人の好きなことを学ぶことではないですよね。
企業・組織として目指していく方針や方向性と、個人の現在のスキルの差分を、「リスキリング」していくことが、企業の成長の原動力になります。
個人にも求められる4つのスキル
Reskilling(リスキリング)
デジタルリテラシー向上。現在・未来に必要となる新たなスキルの獲得。
Unlearning(学習忘却)
これまで学んだ知識や既存の価値観を批判的思考によって意識的に棄て去り、新たに学び直す。
Adaptability(適応力)
自身の「認知→理解→行動」のプロセスを10項目で評価。
AQ(適応指数)をブーストさせる。
Scenario Planning(未来予測)
将来起こり得る「悲連続・想定外」な未来シナリオを複数描く、それに基づき戦略を導く。

まさに、VUCA時代(変動・不確実・複雑・曖昧)を乗り越え、未来を創造する力こそが、「企業・個人」にも求められるスキルになりますね。
「人への投資」「リスキリング」を実施するには、「制度」や「戦略」、「教育」や「評価」、「配置」や「報酬」、それぞれの項目を連動させてこそ、「人への投資」は企業価値の創造につながります。
今では「リスキリング」は、組織が責任を持つ「業務」の一環になっていくと考えます。
繰り返しになりますが、もはや「業務」の一環として、企業活動の中で会社も個人も成長していく為に必要不可欠です。
是非、皆さまの会社では、イーラーニングを学ぶ機会だけの提供だけになっていないか!?
また、個人に求められる4つの考え方について、社内でディスカッションしてみてください。
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