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for Ideal Design

ショートコラム

コンセプト創りまでの道のり-まずはコンセプト!が、プロジェクトをダメにする-

DX 仕事 ビジネスデザイン 奥西新聞

本日はコンセプト創りについて、ワークスアイディ ビジネスデザイナーの奥西がお届けします。

「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」
非常に分かりやすいコンセプトとして有名な、ダイソンのコンセプトがありますよね。

スターバックスは、コーヒーではなく、「サードプレイス-第3の場所-」を提供するコンセプトも有名です。
時代の変化と共に、提供価値に変化はあるものの、コンセプトが接客や店舗、商品やサービスに組み込まれています。

サードプレイスとは、家庭や職場でもない第3の場所を、提供するコンセプトです。
他のコーヒー店と比べ、内装にもこだわり、費用もかけているのがよく分かります。

私もスタバのコーヒーを週2回ぐらい購入し、第2の場所のオフィスで飲んでいます。

では、早速言葉の意味からおさらいしていきましょう。

■コンセプトとは

1.概念。
2.企画・広告などで、全体を貫く基本的な観点・考え方。
※『広辞苑 第七版』より

概念・発想・構想などの意味がコンセプトに含まれていますね。

分かりやすく私なりに解釈すると、「アイディアをより具体化したもの」がコンセプトです。

アイディアは、問題(issue)に対する解決策(solution)の仮説の状態ですね。
コンセプトは、ユーザー要求や前後の文脈に基づいて、製品やサービスとして具体的な実現方法が明確になった状態です。

アイディアベースという思いつきのレベルではなく、
誰に対して、どんな価値を、どの様な手段で実現するのか、
を具体化させた状態がコンセプトなんです。

よく、お客様プロジェクトで決められたコンセプトがテーマと混同していたり、アイディアがコンセプトになっている事があります。
要するに、アイディアベースの状態で、まずは「コンセプト」決めをしてしまっていることがあるんですね。

そうすると、一貫性がなく、コンセプトが製品やサービスとは異なる方向に議論が走り、いつの間にか誰もコンセプトについて触れなくなっている…
なんていう現象が起きていないでしょうか?

まずは、コンセプトを決めるという事ではなく、文脈や要求を整理していく必要があるといく事ですね。

■何の為にコンセプトを決めるのか

コンセプトが必要になりそうだ!!ということは、何となく皆さまも理解はしていると思います。

何の為にコンセプトが必要なのか、私なりに考えてみました。
が、、、驚く様な、答えを見いだしている訳ではなく、その通りだよねという内容ですがまとめてみます。

1.ステークホルダーに知ってもらう為

顧客や従業員、株主、仕入れ先、メーカーなどのパートナー企業、メディアや求職者といった関係者に知ってもらう為ですよね。

2.具現化したことの妥当性を確認する為

アイディアの具体的な実現方法を明確にしていく中で、妥当性があるか検証する為にも、コンセプト設計は必要な要素となります。

具体化できないのであれば、プロジェクトは振り出しに戻すことが出来るので、大事故を早い段階で防ぐことができます。
「多く」「早く」失敗するということは、成果です。
ですが、「少なく」「遅く」失敗するというのは、成果には繋がらないことがほとんどです。

3.チームでアイディアとコンセプトの認識を合わせる

プロジェクトを進める上でメンバーそれぞれの役割がありますよね。
統一の概念でもあるコンセプトに基づいて設計していかないと、出来上がったサービスや製品の統一感が失われます。
チームメンバーと認識を合わせる為にもコンセプトは重要な役割ですね。

■デザイン思考を用いてコンセプト設計を行う

デザイン思考を用いてコンセプト設計をする場合のよくある手順について、ご紹介します。

まずはリサーチをしていきます。
よくあるのは、インタビュー形式ですね。
このインタビュー形式にもポイントがありますのでまた解説しますね。

リサーチの中でも、私が特に意識的に行うのは、オブザベーション(観察)です。
現地に行きインタビューでは得られない体験から情報を得るということです。
現地に行くと、モノや人のレイアウトが分かるので、潜在的な課題が見えてきやすいですよね。

他には、ワークショップやドキュメンテーションという手法を用いてアイディアをより具体化していきます。

同時に言語化も進めながら、誰に対して、どんな価値を、どの様に提供していくのか、の解像度を徐々に高めていきます。
そこには、文脈というのも非常に大事にしています。
これまでの背景や経緯、ストーリーから、Whyの部分を掘り起こして思考していきます。

デザイン思考でも重要となるコンセプト設計は、実は、コンセプトを創る前段階が重要なんですね。

■本日のまとめ

ビジネスに新たな価値を創造することが、まさに今、大きなテーマになっている会社も多いと思います。

新規事業や既存事業のビジネスモデルの変革が迫られています。

プロジェクトが発足したら、最初にコンセプトは何にしますかぁ??となっていないでしょうか。
その場合は黄色信号だと思ってくださいね。

やれ、コンセプト!!まずは、コンセプト!!とならない様にしましょう。

皆さまの会社にあるコンセプトについても、是非、一度議論してみてください。

もし、現在のプロジェクトを早い段階で見直したいという方がいれば、ご相談ください!