こんにちは。
ワークスアイディの奥西です。
昨今はビジネス環境の変化が激しく、モノ・仕組み・サービス・ビジネスモデル・組織など
新たな考え方を取り入れた「イノベーション」が企業に求められていますよね。
しかし、そんなこと言われても……一朝一夕には変革なんて起こせるものではないのが現実です。
さて、ここで重要なのが、「デザイン思考」と「ジョブ理論」の融合です。
本当に言い切って大丈夫なのか・・自分。
今回はデザイン思考に「ジョブ理論」を融合してみる!!を
テーマに考えてみたいと思います。
デザイン思考は、創造的な問題解決のプロセスやアプローチ方法ですね。
これまで何度かデザイン思考については、このコラムでも解説してきました。
▼デザイン思考について
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上記オンラインイベントでもデザイン思考について議論いたしますので、是非ご参加お待ちしております。
ジョブ理論とは
さて、本題に戻りますが、ジョブ理論について少し解説します。
ジョブ理論(Jobs-To-Be-Done)とは、簡単に言うと製品やサービスの「(顧客が)片付けるべきジョブ」に焦点を当てる理論です。
「イノベーションのジレンマ」で有名なクレイトン・M・クリステンセン氏が提唱し、
直訳すると「片づけなければならない仕事」という意味です。
「ジョブ理論」、あまり聞き慣れない理論ですよね。
本のタイトルで見たことがあるという方は多いかなと思います。
製品がどういう機能・性能を提供しているか、ではなく、
製品が顧客のどういう課題を解決しているのか、それを満たす製品やサービスを構想する。
という理論です。
解決すべき「課題」と捉えると分かりやすいかもしれないですね。
ジョブ理論の説明例として、提唱者のクリステンセン氏の「ミルクシェイク」を用いた話が有名です。
とあるファストフード店でミルクシェイクの売上を伸ばそうと、味を変えたり、トッピングを加えたりと工夫しましたが効果がなかったようです。
そこで、相談を受けたクリステンセン氏は顧客を観察してみると、ミルクシェイクを購入する人の多くは「平日の朝に一人で来店し、車で帰っていく」ということに気付きます。そして、その顧客達に何故ミルクシェイクを買ったのかを訊ねると以下のような理由が挙げられました。・退屈な車での通勤中に楽しさを味わえる。
・バナナやドーナツなどと違って、長持ちするし手も汚れない。つまり、顧客は「退屈しのぎ」と「利便性」のためにミルクシェイクを購入していたのです。
味やトッピングを変えても、売上が変わらなかった理由が分かりました。これを受け、クリステンセン氏はより長く楽しめるようにボリュームを増やしたミルクシェイクを販売し、売上回復に繋げたそうです。
ジョブ理論が生まれた経緯として、イノベーションの停滞が挙げられます。
イノベーションの創出は長らく多くの企業の課題になってきました。
これまで商品開発する際は、
「スペックが以前より格段に良くなりました。」
「効率化します」
「コストをいくら低減することが出来ます」
という考え方を重視されてきましたよね。
例えば、
「充電の持ちが長くなる」
「PCのスペックがあがる」
「画像の画素数があがる」などなど。
機能や性能をあげていくということで、顧客満足が満たされるという考え方です。
確かに性能や機能が上がることも大事ではありますよね。
しかし、ジョブ理論は、顧客の「JOB(課題)」を片付けることに焦点を当てた理論の為、
顧客が望む結果(アウトカム)に焦点を当て、それに基づいて製品やサービスを革新するという考え方です。
性能や機能をこうしたいというアプローチではなく、
誰がどんな要求や欲求があって、片付けたいなと思っている課題を見つけていくということです。
要するに、顧客がなぜ画像の画素数を求めているのか、PCの充電が長持ちになることを求めているのか。
この要素分解がもの凄く重要な考え方ということです。
ジョブ理論はこのアウトカム志向のアプローチを取り入れ、
顧客が達成しようとしている具体的な「JOB(課題)」を中心に製品やサービスを設計することを推奨しています。
デザイン思考に「ジョブ理論」を融合してみる
ジョブ理論とデザイン思考は、どちらもユーザー中心のアプローチですね。
まず顧客のジョブを特定し、そのジョブを満たすための革新的なアイディアをデザイン思考を通して発見していきます。
その後、プロトタイプ・テスト・フィードバックを経て、製品やサービスを磨き上げていきます。
製品やサービスの開発において顧客のニーズを理解し、それに応えることを目指しています。
これらのアプローチは顧客のニーズを特定する方法において異なり、それぞれが異なる視点から顧客の問題や目的を分析します
ジョブ理論は潜在的なニーズや目的を捉えるのに対し、
デザイン思考は顧客の行動や経験からニーズを特定します。
このため、「デザイン思考」と「ジョブ理論」を融合させることで、
より深い顧客理解と創造的な解決策が生まれていきそうですね。
ジョブ理論をビジネスに適用する際、重要なのは顧客が実際に解決しようとしている「JOB(課題)」を理解することです。
これには、顧客がどのような状況にあるか、どのような目的を持っているか、
そして何を達成しようとしているのかを深く洞察・観察する必要があります。
この理解をもとに、製品やサービスは顧客の「JOB」を効果的にサポートするよう設計されます。
視点を変えるだけで、機能が活かされていきますね。
まさに価値は使い方で現れるということです。
まとめ
デザイン思考とジョブ理論のこの組み合わせによって、
企業は顧客の深いニーズと目的を理解し、それに応えるためのより効果的で創造的な解決策を提供できます。
デザイン思考は顧客の行動や経験からニーズを探求し、
ジョブ理論は顧客の解決すべき「課題」に焦点を当てます。
製品やサービスは顧客の「JOB(課題)」を効果的にサポートすることで、
更に顧客満足を生み出すことができます。
DXプロジェクトにも、「デザイン思考」と「ジョブ理論」のアプローチを取り入れ、
ビジネスの可能性が広げていきましょう!!
それでは本日もGOOD JOB!!
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