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コラム

「モノ」の質から「意味」のイノベーションへデザイン

仕事 ビジネスデザイン

こんにちは。
ワークスアイディの奥西です。

80年代に子供を中心に大ブームとなった「ビックリマン」。
私も幼稚園の頃にビックリマンシールを集めて、ホルダーに入れていました。
何とかビックリマンを買ってもらう為に、親を説得していた経験が現在活きているのかもしれません……。

今ではビックリマンシールが高値で取引されていますね。なんと……発売から47年が経過しています!コラボ商品を積極的に展開されていますね。

自身をキャラクターにしたビックリマンシールを作りたいなー。
どなたか詳しい方いれば教えてください。

さて本日は「モノの質から意味のイノベーションへデザイン」についてです。

皆さまも「モノからコト」は聞いたことがありますよね。
今回は「意味」について考えていきましょう。

2009年に日本語版が発売されたクラウス・クリッペンドルフの書籍
「意味論的転回 ― デザインの新しい基礎理論」は、
「デザイン」の考え方に革命をもたらしたと言われています。

クラウス・クリッペンドルフ(Klaus Krippendorff、1932年3月21日 – 2022年10月10日)は、 ドイツ出身の米国のコミュニケーション学者、サイバネティクス研究者、社会科学者。
ペンシルベニア大学アネンバーグ・コミュニケーション学部(Annenberg School for Communication) グレゴリー・ベイトソン名誉教授 (Gregory Bateson Professor Emeritus)。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

この「意味論的転回」は、モノの質ではなく、意味がいかに重要であるかを強調しています。

意味論的転回をビジネスデザインの観点から探求し、
意味のイノベーションの重要性について考えていきたいと思います。

意味論的転回(セマンティックターン)とは

「意味論的転回」は、デザインは物の物理的な質ではなく、
人にとっての意味に基づいて行われるべきだ
という考え方を紹介しており、
デザインを意味論的に再定義し、
ポスト工業化社会でデザイナーが直面する変化に対応するための指針を提供しています。

当時は現代と異なり、工業化社会からポスト工業化社会へ移行している時代でした。
産業構造において「情報・知識・サービス」などを扱う
第三次産業の占める割合が高まっていた時代です。

デザインの実践と理論が一体となったアプローチを通じて、
デザインの社会的な役割と責任について深く掘り下げています。

誰のためのデザイン?

誰のためのデザイン?

ビジネスを考える上で、まず重要なのは「誰のためのデザインか?」という問いです。
製品やサービスが、ただ機能するだけでは不十分です。

それが誰にとって価値があるのか、どのような問題を解決するのかを理解することが重要です。

ビジネスデザイナーは、顧客のニーズを深く掘り下げ、
顧客が本当に価値を感じる解決策を提供することを目指します。

デザインとは意味を与えること?

クリッペンドルフは、「デザインとは意味を与えること」と述べています。
製品やサービスは、それ自体が意味を持っているわけではありません。

重要なのは、ユーザーがそれをどのように解釈し、どのような価値を見出すのか。

例えば、スマートフォンは単なる通信ツールではなく、
人々をつなげたり情報を得る手段としての意味を持ちます。
このような「意味の創造」が重要となります。

他にも「ソニー」は、技術の革新を通じて、製品に新たな意味を与えることで知られていますね。
例えば、ウォークマンは、音楽をいつでもどこでも個人的に楽しむという新しいライフスタイルを提案しました。

最近では高品質な音響機器やデジタルイメージング製品を通じて、
「感動を体験する」という意味を提供しています。

ソニーの製品は、技術を通じて人々の生活に豊かな体験をもたらすことを目指しています。
まさに、意味を与えるということです。

役に立つから意味がある

独立研究者・著作家・パブリックスピーカーとして有名な
山口周さんの書籍やインタビューにもこう記してありました。

「役に立つから意味がある」

私にはこのワードが刺さりました!

「役に立つから意味がある」という言葉の背景には、
製品やサービスが単に個々の機能を果たすだけでなく、
それを使用することでユーザーが感じる満足や、
社会全体への貢献、環境への配慮といった「意味」を提供する必要があるという考えがあります。

人が物やサービスを選ぶ基準も、
「使い勝手が良い」や「コストパフォーマンスが高い」といった従来の価値基準だけでなく、
「その製品を通じて得られる経験や満足感」「社会的な意味や倫理的な価値」を重視するようになっています。

私もユーザーとして利用している「無印良品」も、意味の価値を凄く大切にされています。

「人と自然とモノの望ましい関係と心豊かな人間社会」を考えた商品、
サービス、店舗、活動を通じて「感じ良い暮らしと社会」の実現に貢献する。

企業理念:株式会社良品計画

無印のデザイン哲学は、無駄を削ぎ落とし、本質的な価値に焦点を当てることにあります。

このアプローチにより、生活用品から衣服、食品、住宅に至るまで、
製品のカテゴリーを超えて一貫した価値を顧客に提供しています。

最近では「感じ良い暮らしと社会」の実現を目指し、
自動運転モビリティGACHAがニュースになっていましたね。

自動運転モビリティの実用化に向けて実証実験中ですが、
国内の走行環境に合わせて小型化、地域活性化に貢献する移動手段として非常に楽しみです。

まとめ

デジタル技術の進化により、製品やサービスの提供方法が大きく変化しています。
この変化の中で、意味のイノベーションはさらに重要性を増しており、
テクノロジーとビジネスの観点から、新たな「問い」へ挑戦する必要がありますね。

これには、顧客との深い対話、社会的影響の評価、ユーザー・エクスペリエンスの最適化が含まれます。

結論として、モノの質から意味のイノベーションへのシフトは、
ビジネスデザインにおいて重要な転換点を示しています。

ビジネスが提供する価値を再定義し、
より持続可能で社会に貢献する製品やサービスの開発が重要ですね。

「機能的価値」だけではなく「意味的価値」も一緒に探求していきましょう。

是非、皆さまの会社でも「意味のイノベーション」について
議論していただければと思います。

DXプロジェクトにデザイン思考を。

それでは本日もGOOD JOB!!

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